インタビューココだけ | ガールズ&パンツァー 最終章

「これからもタオルと共に!」誕生日イベントの請負人 山戸章弘 [大洗町回覧板 こちらガルパン出張所]

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『ガールズ&パンツァー』の舞台・大洗で、より作品を身近に感じている方々に、作品と出会ったきっかけやエピソード、作品への思いなどを聞いていく『大洗町めぐり~大洗の今、そしてこれから~』。第5回は曲がり松活性化委員会 委員長・山戸呉服店 代表 山戸章弘さんにお話を伺いました。

店の中で「アンチョビだ!」という声が聞こえると嬉しくなります。

──まずは『ガールズ&パンツァー』に関わられたきっかけから教えてください。

この作品が始まる前に大洗商工会青年部の部長を務めていたのですが、その任期が終わる直後くらいに常盤良彦君に肴屋本店に呼び出されたんです。そこで「大洗を舞台にしたアニメを作っているので何かの際には力を貸してほしい」と言われました。常盤君と肴屋本店の大里明君とは青年部で一緒に活動した仲なので、その関係もあって声をかけていただいたのだと思います。その時に「少女が戦車に乗って試合をする」と説明を受けましたが、最初はまったく意味が分かりませんでしたね(笑)。

──アニメーション作品や戦車に馴染みはありましたか?

小学生の頃は『マジンガーZ』が好きでした。そしてアニメを卒業しようと思った頃に『宇宙戦艦ヤマト』や『機動戦士ガンダム』の洗礼を受けたんです(笑)。あと『超時空要塞マクロス』も観ていました。またミリタリー物も好きだったので、『コンバット!』を観たり小林源文先生の漫画を読んだりしていました。大人になってからアニメやミリタリーから離れていましたが、もともと好きなジャンルだったので『ガルパン』を見て昔の思いが甦りましたね。第5話で源文先生『黒騎士物語』のポスターが出た時は心が躍りました(笑)。

──作品をご覧になった印象はいかがでした?

世間での評判が良いのはインターネットで知っていましたが、この地域はBS11での視聴になるので東京よりも放送が遅いんですよ。そして、ようやく始まった第1話を観てすぐにハマりました。実は東京で第4話が放送された後くらいにカメラを持った方を大洗で何人か目撃したんですよ。その時は何があったのか分かりませんでしたが、こっちで第4話が放送された時に「なるほど!」と思いました。商店街のシーンは地元の僕が見てもリアルでしたね。あそこまで再現されると本当にあった出来事だと錯覚しますよ。ファンの方が写真に撮りたくなるのも分かります。ただ惜しいことにウチに突っ込んでもらえなかったですが(笑)。

──最初の『ガルパン』仕事は何だったのでしょう?

第4話であぶらや呉服店さんというお店が砲撃で壊されましたが、道路拡張工事のために現実でも平地になっていたんですよ。その跡地に「戦車で壊されたので改装中です」という看板を立ててほしい……と常盤君に頼まれたのが最初です。ただ普通の看板では面白くないので、杭を地面に刺す「いかにもな立て札」を作りました。ところが当時は『ガルパン』が今ほど浸透していなかったので、近隣から文句を言われるのが怖くて早朝に作業をしようとしたんです。それが地面が凍るほどの寒い時期で、木槌で杭を叩くと「カン!カン!」って街中に響くんですよ(笑)。そこで作業を中断して翌日の夕方に日を改めました。その時はイタズラをするようなワクワク感がありましたね(笑)。いつも無茶ぶりで有名な常盤君ですが、まんまと常盤マジックにハマってしまいました(笑)。

──事情を知らない町の人が本気にされたりはしませんでしたか?

それは大丈夫でした。ただ最終回直後に(大洗女子学園)優勝記念の横断幕を大洗駅に飾った時は、ウチに来た地元のおばちゃんに「大洗高校っていつから女子高になったの?」って言われました(笑)。その時の100円商店街(商店街活性化の取り組みのひとつ)は「優勝記念セール」という形でやらせてもらいました。

▲第3回で紹介した肴屋本店のすぐ側、曲がり松商店街内に店を構える山戸呉服店。
営業時間:9~19時/定休日:火曜日

──呉服屋の山戸さんがタオルを作ることになったきっかけは何でしょう?

最初にホテルの宿泊客に配布する特典用タオルを作る企画があって、大洗女子学園の校章が入った数種類が候補に挙がったんです。そしてホテルが採用した以外にも良い図案があったので、残った案のタオルをウチで出してみようと思ったのがきっかけです。その企画があった前年、自分がPTA会長を務めた小学校が統合されることになり、学校の校章入りのタオルをお世話になった方々に配ったんですよ。それが印象に残っていて、実在する学校ならこんなタオルも作りそうだと思ったんです。ただ校章入りタオルなんて現実には田舎っぽいイメージなので、正直ここまで受け入れてもらえるとは思いませんでした。

──大洗女子学園から始まって、現在は他校のタオルも充実していますね。

最初は2種類でしたが現在は十数種類展開させていただいています。いち早く商品化させていただいた継続高校のタオルはお陰様で好評です。また最初に作った大洗女子とあんこうチームのタオルは現在も定番人気で、ウチを訪れたお客さんは必ず買われますね。また長く使っていただいたために傷んでしまい、同じものを何度も買ってくださる方もいらっしゃいます。最近はタオル屋としての認知度の方が高くなり、「呉服屋の山戸です」と言うより「タオル屋です」と言った方が話が早かったりします(笑)。

▲名物の『ガルパン』タオル。デザインバリエーションだけでなくスポーツタオル、バスタオル、
マフラータオルなど用途の異なる商品もとり揃えている。▼

──お店のパネルはアンチョビですが、希望されたキャラクターだったのでしょうか?

パネルの割り当てはほぼランダムで、アンチョビが選ばれたのも偶然だったんですよ。ウチは呉服屋なので華道をやってる華さん、もしくは着物を着ている華さんのお母さんが来ると思っていたんです。実は当時はキャラクターも少ししか把握していなかったので誰なのかまったく分かりませんでした(笑)。でも彼女が届いた時の感動は今でも覚えています。パネルを置いた店は彼女達の実家のようなもので、自分もアンチョビを娘のように思っています。

──パネルを設置した時はOVA「これが本当のアンツィオ戦です!」の制作予定がなかったので、あの頃のアンチョビはレアキャラ扱いでしたね。

本編に数秒しか出てきませんからね(笑)。でもOVA発表前から随分と人気でした。パネルは「ガルパン街なかかくれんぼ」という企画でしたが、そのパネルを店のどこに置くかで親父とけっこう言い争ったんですよ。親父は店の前に置こうとしたのですが、自分は「“かくれんぼ”だから目立つ場所じゃダメだ!」と言って2階の窓に置いたんです。親父は納得しなかったのですが強行しました(笑)。そうしたら「見つからないキャラクター」のベスト5くらいにアンチョビが入ってしまったんですよ(笑)。でも見つけにくいキャラクターとして注目してもらえたようで、店の中にいると「いたっ!」とか「あそこだっ!」みたいな声が聞こえて楽しかったです(笑)。

──大洗を訪れる客層の変化はありますか?

先ほどの「街なかかくれんぼ」を実施した2013年の「海楽フェスタ」から次第に増え、「あんこう祭」ではあまりにも大勢のお客さんが詰めかけて驚きました。客層もテレビ放送後は我々と同世代くらいで、どちらかと言うと単独で大洗に来られる方が多かったです。『劇場版』公開後は若いファンや女性が増え、カップルや女性同士のグループも訪れるようになりました。そして『最終章』が公開されてからは家族連れをよく見かけますね。お子さんも『ガルパン』に詳しくて、ウチのパネルを見て「アンチョビだ!」とか言ってくれると嬉しくなります(笑)。

──『最終章』はご覧になりましたか?

はい、観ております。今回は大洗こそ出てきませんが、自分は既に『ガルパン』ファンなので大洗が出なくても普通に楽しんでいます。どちらかと言うと大洗よりアンチョビが出てくれた方がアガりますね(笑)。あと今回は一部大洗らしき場所が出てきたんですよ。ただエンディングのテロップを観るまで気付きませんでした。

▲店内に置かれた歴代キャラクターパネル。
▼アンチョビ宛に贈られた誕生日プレゼントもここに保管されている。

──毎年9月23日にはアンチョビの誕生日イベントを催されていますね。

最初は曲がり松商店街にいるあんこうチームから始まったんです。当時はあんこうチームと生徒会メンバーの誕生日しか設定がなく、やがて何かのきっかけで主要な隊長さん達の誕生日が発表されました。当時はそんな事があったとは知らなくて、お店に来たファンの方に「やりましたね山戸さん!アンチョビの誕生日決まりましたよ!」と教えていただいたんですよ。その時は目眩がするほど嬉しかったです(笑)。それから各隊長の誕生日イベントをやることになりました。最初は「100人でも来てくれればありがたいかな」くらいの考えで、駐車場を会場にした小規模イベントとして始めたんですよ。今は500~1000人超くらいのファンが来てくれて、マリンタワー前でないと収まらない規模にまで発展しました。ありがたい事です。

──イベントではどんな事をされているのでしょう?

全員で「ハッピーバースデー」を歌い、ご提供いただいたケーキを食べます。ケーキは人数分を切り分けるのが不可能なので、一人ずつスプーンですくう「ワンスプーンケーキ」方式にさせてもらっています。そしてスタンプラリーやクイズラリーをしたり、誕生日限定の缶バッジ販売やパネルの設置も行っています。またアンチョビ役の吉岡麻耶さんから毎回ビデオレターを送っていただいています。屋外のように映像が映せない環境では声だけを流して対応しました。一昨年は雨が降ったので会場を文化センターに移動し、センターの壁に映像を投影させてもらいました。

──山戸さんからご覧になった『ガルパン』の魅力とは何でしょう?

大洗の人間なので、どうしても街の風景と絡めて見てしまいますね。どのキャラクターも近所の娘さんのように思えてくるんですよ。それ抜きでもストーリーが面白くて引き込まれますね。先日あった「劇場版 シネマティック・コンサート」に行ったのですが、もう何回も観て慣れているはずなのに同じシーンでホロっと来るんですよ。カチューシャを逃がすためノンナ達が犠牲になるところです。別に死ぬわけじゃないし、試合が終われば再会できるのにね(笑)。それを分かっていながら引き込まれてしまうんです。音楽も良かったですしね。終わった後に仲間と食事しながらその話をしたら、他の皆も「あそこは泣くよね」って言っていました(笑)。

──ファンにメッセージをお願いします。

アンチョビの誕生日には大勢の方にお越しいただき感謝しております。帰りがけに「楽しかったです。また来年もやってください」と声をかけてくださる方もいて、その言葉が励みであり「何か新しい事をやらなきゃ」というプレッシャーでもあります(笑)。これからもタオルと共によろしくお願いします。

──最後に次のインタビュー相手を指名していただけませんか。

ウチのタオルを欠品させてはご迷惑をおかけしている、ガルパンギャラリーの西村館長に繋ぎます。西村さんには「こんな私ですが、これからも何卒よろしくお願い申し上げます」とお伝えください。

▲山戸呉服店で商品購入者に配布されるポストカード。
店の2階から手を振るアンチョビはキャラクターデザイン・総作画監督の杉本 功氏による描き下ろしである。

PROFILE

山戸章弘(やまと・あきひろ)
1966年9月11日、大洗出身。山戸呉服店 代表。同店は創業より旅館業、味噌屋などと業種を変え、章弘氏はその八代目店主となる(呉服屋としては四代目)。数多くの『ガールズ&パンツァー』タオルを扱っているためファンの間ではタオルの店として認識されている。その一方、商工会青年部のOBとして「曲がり松100円商店街」などのイベントの企画運営でも活躍。

<上映情報>

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<Blu-ray&DVD情報>

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