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村田和也×ボンズが贈るオリジナルバイオSFアクション!『A.I.C.O. Incarnation』村田和也監督スペシャルインタビュー[後編]全文掲載

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大ヒットを記録した『鋼の錬金術師 嘆きの丘(ミロス)の聖なる星』で劇場初監督を務め、『翠星のガルガンティア』では原案・監督として鮮烈なオリジナル作品を世に送り出した村田和也と、『交響詩篇エウレカセブン』などで高い評価を受けるアニメーション制作会社・ボンズがタッグを組んだ話題のオリジナルSFアクションアニメ『A.I.C.O. Incarnation』が、2018年3月9日(金)より好評配信中! そこで今回は、村田和也監督のインタビューを前後編の2回に分けてお届け。後編では、登場人物や注目ポイント、音楽についてなど、作品世界をより深く楽しむためのポイントを伺った。

●インタビュー前編はこちら


視聴者の方も立場的にはアイコと一緒。だから、アイコに乗っかって全てを観て欲しい

──スタッフ覧の中にマターデザインという専門の役職があるほど、暴走した人工生命体マターは物語の重要な核を担っています。デザインや設定を作り上げる際にこだわったところはありますか?

村田マターは人工生体細胞なので、その生き物感というのは出したいなと思っていました。僕自身は今よりももっとシンプルでツルッとした形状を想像していたんですけど、マターデザインの三輪(和宏)さんが今のようなデザインを提案してくれました。得体が知れないんだけど紛れもなく生き物であるという点がすごく強調された造形で、密度感満載で非常に気持ち悪いし触られたくない(笑)。これはすごいなと思ったのでその方向でデザインをお願いしました。マターに関しては三輪さんのデザインセンスが非常に大きいと思いますね。ただ、描くのが大変に違いないので現場的に大丈夫かなと心配はしました。が、アニメーターであり本作のマター総作監でもある三輪さんから出てきたデザイン、ということが一つの保証になっていました。結果として、スタッフみんなに大変がられましたけど(笑)。

──マターを休眠させるためには適切な弾を選択しなければならないエビデンスといった設定など、所々にテレビゲーム的な感覚をお見受けしたのですが、そこは意識されていたのでしょうか?

村田僕自身がゲームをしない人間なのでゲーム的な感覚というのは意識していないですね。ただ、ダイバー各々の特性や武器のデザインといったバリエーション、マターの種類によって使う薬を変えるといった設定によってアクションや状況に変化を持たせようという狙いはありました。この作品で医療系の考証をお願いしたお医者さんにエビデンスという言葉を教えて頂きました。端的に訳すと「科学的根拠」という意味合いになります。医療関係の方からするとごく当たり前の言葉らしいんですけど、こういう症状に対してはこういう薬がこの程度効きますという医療業界全体が蓄積した知見をもとに、その治療法がどのくらい有効かということを示す証拠や根拠のことをエビデンスと言うそうです。そういう考え方を作品に導入してはどうかというご提案を頂きました。この作品は仮想の生物学を応用した医療技術がメインなので面白いなと思いましたし、作品の説得力を強化する上でもピッタリだったので採用させて頂きました。

──作品をご覧になる方には各キャラクターのどういった部分に注目して欲しいですか?

村田アイコは一番何も知らずに巻き込まれていく中心人物です。「君の身体は偽物だ」っていう信じられないような言葉をいきなり聞かされて。視聴者の方も何も知らない状態で作品を観始めますので、立場的にはアイコと一緒。だから、アイコに乗っかって全てを観て欲しいですね。半信半疑の状態ではあるけど、でも、死んだと聞かされていた家族が、もしかしたら生きているかもしれないという可能性に全てを懸けたいと思った。一人残されてしまった絶望の中で、家族を助けたい一心でミッションに参加することを決めた彼女のその心情に、気持ちを乗っけて観てもらいたいですね。全てのキャラクターはアイコ目線で、この人どういう人かなと判断して頂けるのがいいのかなと思います。観ていくうちに徐々に各キャラクターの背景やダイバーの仕事内容についても明らかになっていきます。収入は良いけれど大きな危険を伴ういわば賞金稼ぎ的なダイバーという仕事に、彼らがどういう事情や想いを抱えて就いているのか。そういった部分が見えてくると思います。

岩代さんの音楽は繊細でありつつ非常に重厚で深みがあって、
映像にあてた時のシンクロ率が非常に高いんです

──アクション作品に定評のあるアニメーション制作会社ボンズとのお仕事はいかがでしたか?

村田ボンズさんとは何度も仕事をさせて頂いているので間合いは分かっているつもりでしたが、純粋に作品内容が大変でしたね(笑)。僕自身も大変だと思いながら絵コンテを切っていたんですけど、わざと大変にしてやろうというわけでは決してなくて(笑)、想定されている物語をお客さんに届けるために通らなければいけない道を通ったら大変にならざるを得なかったという。結果として、スタッフみんなに力を出し切って頂かなければいけない内容になりました。完成した作品はそれだけの苦労や労力に見合う完成度になっていますし、自分が思い描いてきたものが形になったなと実感しました。手応えはすごくありますね。

──本作では過去に何度かお仕事をご一緒された岩代太郎さんが音楽を担当されています。岩代さんが作り出す音楽の魅力とは何でしょうか?

村田岩代さんの音楽は繊細でありつつ非常に重厚で深みがあります。独立した音楽としての素晴らしさもさることながら、それを映像にあてた時のシンクロ率が非常に高いんですよ。映像内容や人物の心情に寄り添ってもらえるし、物語を後ろから支えてもらえる。それが岩代さんに音楽をお願いする理由ですね。

──楽曲制作を依頼される際はどのようにイメージをお伝えしているんでしょうか?

村田こういう物語でこんな登場人物がいてこんなことが起こる作品なのでこういう感触の音楽が欲しいですという方向性を、音楽イメージのマインドマップにまとめてお渡ししています。これは毎回作っているものなんですけど、それでメッセージをお伝えして、あとで混乱しないようにイメージの共有をしてもらっています。マインドマップは音楽用だけじゃなくて、物語の世界観やキャラクターの設定など全て一つずつ分けて作ります。情報量が多いと人に伝えるとき取りこぼしちゃうんですよ(笑)。アイディアは日々更新されていくものなので自分の中で次々と情報が上書きされていくじゃないですか。そういう時にこれを作っておくと、誰にいつの状態のデータを渡したのかが把握できるし、最新状態を常に更新しながらスタッフのみんなと共有できるのですごく便利です。ただ音楽の場合、最終的には作曲家さんのイマジネーションにかけざるを得ないですね。岩代さんが「まだこの世に存在しない音楽について具体的に語るのは不可能ですよ」ってよく仰るんですけど、共通見解として少しでもイメージを共有できた気になれるものを作りたいという想いからマインドマップを作成しています。

この作品のタイトルが本当に意味するところについては、
最後まで観て頂ければ自然に理解して頂けると思います

──本作のタイトルである『A.I.C.O. Incarnation』に込めた意味について教えてください。

村田作品を観る前の方には謎めいた言葉に聞こえると思いますが、「A.I.C.O.」は人工的かつ知的な細胞生体「Artificial and Intelligent Cellular Organism」つまり人工生体、その略称が主人公の名前にもなっています。実は橘アイコという名前はこの作品のアイディアを思い付いた十数年前の時点で既にありました。主人公の名前をアルファベットで書くとAIKOかAICO、それと人工生体という言葉を関連づけて英語表記で表せないかと探していく中で現在の略称が上手くハマった形ですね。「Incarnation」は「A.I.C.O.」だけだとタイトルとして印象が軽くなりそうだったので重みと補足説明の意味で付け加えました。実は他にも幾つかタイトル案があったんですけど、その中で「生命を生み出す」という意味を持つ「Incarnation」を選びました。でもこのタイトルが本当に意味するところについては、最後まで観て頂ければ自然に理解して頂けると思います。

──最後に、ファンへ一言メッセージをお願いします。

村田私自身が長年温めてきたテーマを今回形にすることができて大変嬉しく思っています。観て頂いた方には登場人物たちの心情やダイバーたちがマターと繰り広げるアクションに作品が提示する謎など、あらゆる要素を楽しんで観て頂けると思います。ぜひご覧ください!

の付いたインタビューはV-STORAGE online限定の記事です。

PROFILE

村田和也(むらたかずや)
大阪府出身。アニメーション監督。『交響詩篇エウレカセブン』や『コードギアス 反逆のルルーシュ』などに携わり、2013年にオリジナル企画の『翠星のガルガンティア』でTVアニメ監督デビュー。その他の監督作品に『鋼の錬金術師 嘆きの丘(ミロス)の聖なる星』、総監督作品として『正解するカド』などがある。

<配信情報>

2018年3月9日(金)よりNetflixにて全12話好評配信中!(1ヵ月無料体験実施中)

【Netflixについて】
Netflixは、190ヵ国以上で1億1700万人超のメンバーが利用するエンターテインメントに特化した世界最大級のオンラインストリーミングサービスです。アワード受賞作を含むオリジナルコンテンツ、ドキュメンタリー、長編映画など、1日あたり1億4000万時間を超える映画やドラマを配信しています。メンバーはあらゆるインターネット接続デバイスで、好きな時に、好きな場所から、好きなだけエンターテインメントを楽しむことができます。同社サービスには、広告や契約期間の拘束は一切ない上、Netflix独自のレコメンデーション機能が一人ひとりのメンバーの好みに合わせて作品をオススメするため、お気に入りの作品が簡単に見つかります。

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A.I.C.O. Incarnation 公式サイト

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