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全七章で描くシリーズ最新作の第4弾!『宇宙戦艦ヤマト2202 愛の戦士たち』第四章「天命篇」福井晴敏スペシャルインタビュー全文掲載

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羽原信義監督やシリーズ構成の福井晴敏ら、新旧を超えた豪華スタッフ陣が集結したシリーズ最新作『宇宙戦艦ヤマト2202 愛の戦士たち』第四章「天命篇」。これまで以上に手に汗握る衝撃の展開が待ち受ける。そこで今回は、シリーズ構成の福井晴敏さんを直撃し、様々な感情や思惑が交錯する登場人物たち、気になる第五章「煉獄篇」について話を伺った。

みなさんが持っているデスラー像を壊さず、
新しい要素を足せるかという部分が肝になってきます

──第四章「天命篇」は様々な登場人物たちの感情や思惑が入り乱れる話でした。まずはデスラーについてはいかがでしょうか?

福井声は『宇宙戦艦ヤマト2199』(以下『2199』)から引き続き山寺(宏一)さんが担当されています。山寺さん自身が昔の『宇宙戦艦ヤマト』にとても精通していらっしゃるので、我々からは特に演技プランは提示していません。そのままやってもらったらそれで大丈夫なはずだという信頼感がありましたし、実際にその通りでした。デスラーは既に完成しているキャラクターなので、みなさんが持っているデスラー像を壊さず、新しい要素を足せるかという部分が肝になってきます。守るべき部分と深掘りする部分のバランスは結構気を遣いましたね。ただデスラーはケレン味のある極端なキャラクターなので、恐らくこういうことを喋るだろうなという想像はつきました。だからセリフを迷うことはほとんどなくて描きやすかったですね。今回は顔出し程度ですけど、第五章「煉獄篇」からはそういった原作プラスアルファの部分が全面に出てきます。

──キーマンについてはいかがでしょうか?

福井このキャラクターも第五章がポイントですね。段々と地の色が出てきたところなので、次で色々分かることが出てくると思います。楽しみにしていて欲しいですね。

──桂木透子についてはいかがでしょうか?

福井第四章では1パートを割いて彼女について描いていますが、そこだけではまだどういうことなのかは分からないと思います。彼女とズォーダーとサーベラー、どうやら三者の間にすごく切実な想いがあるらしいということはきちんと伝えられたんじゃないかなと。この先どうなるんだろうと考えながら観るよりも、今は彼らの芝居をそのまま受け止めて頂けたらいいと思います。

今の我々の世代が観るのにちょうどいい塩梅で
死生観を描いてみたいなという想いがありました

──テレサについてはいかがでしょうか?

福井テレサは原作ではいわゆる反物質という説明をされていましたが、本作では高次元生命体なのでそもそも次元が違います。それは要するにあの世なんじゃないかという見方もできますよね。だから亡くなった人たちを媒介にして今の次元に生きる人たちに語りかけてくるわけです。私やファンのみなさんを含め、この歳になってくると“死”って身近じゃないですか。自分の周りにも死が増え始めて死への射程距離が何となく見えてきますよね。そして、当たり前のことですけど『宇宙戦艦ヤマト』のようなバトルものでは必ず人が死にます。だからこそ「人は死んだらどうなるのか?」という人類の永遠の謎に改めて切り込むのは、このシリーズが描いてきた話の根幹部分に触れるのと同じことでもあるんです。今の我々の世代が観るのにちょうどいい塩梅で死生観を描いてみたいなという想いがありました。

──ズォーダーについてはいかがでしょうか?

福井彼が何を考え、なぜそういう行動を取るのかはまだ謎のままですが、今回は桂木透子との絡みで初めてその片鱗が出てきます。自信満々で高笑いをしながら力強さを誇示していた原作とやっていることは同じなんですが、どうやら今回のズォーダーの動機は大きく違うらしいというのが見えてくると思います。

──ゴーランドとノルの親子のようにもみえる関係性についてはいかがでしょうか?

福井これは単純で、自分が子供を持ったから親の気持ちが分かるんですよ。子供の時にあのシーンを見るとよくある感動的なパターンだなと思うんですけど、親の身になって見るとそれはああいう行動を取るよなって納得できるんですよね。お客さんの大半がもう親になっているので、ここは共感してもらえるポイントだと思います。ガトランティスの場合は親子じゃなくて自分のコピーなんですけど、よくあるクローンとは違っていきなり大人の姿として誕生するわけではないので、きちんと子供の頃から育てる必要があります。自分が老いた頃にそのクローンが一人前になって次々と代替わりしていく仕組みです。それって親子以外の何ものでもないじゃないですか。そうなった時には、人の形をして人の知性を持った生物は等しくそういう行動を取るだろうなと。第三章でズォーダーが「我らはクローンで愛から生まれたわけではない。愛の外にいるから愛に対してすごく公平だ。だから自分たちの考える理想郷を作れる」というようなことを言いますけど、それは間違っているということが見えてきますよね。そして、ゴーランドとノルの例というのは決して特殊な事例というわけではないと思います。

古代が地球の理想の姿を願い、
スターシャとの約束を守りたいと思うのは人間として当たり前の姿

──第四章の大きな見せ場となる波動砲のシーンについてお聞かせください。

福井前作『2199』で波動砲は危険なものとして封印されているという前提がありますが、今回でその波動砲問題に一区切りがつきます。古代が地球の理想の姿を願い、スターシャとの約束を守りたいと思うのは人間として当たり前の姿です。その当たり前を許さない状況というのが社会にあった時に自分の中でどうやって落としどころを付けていくのか。これは生きていれば誰でも大なり小なり直面している問題です。そして、ここに描かれた以上の解決方法は多分ないと思います。自分自身の身に置き換えて観て頂いてもいいかもしれないですね。

──第四章のサブタイトルを「天命篇」にされた理由をお聞かせください。

福井ひとつはテレサがあの世の人だから天の命という意味です。天命というのはその人に与えられた宿命みたいなものですよね。デスラーや古代たちは逃れられない天命というものを背負わされ、それを突破していかなければならないわけですから、そういう意味を含めて「天命篇」にしました。

愛は美しいものである一方で大きな危険性を孕んでいます

──続いて、第五章「煉獄篇」についてお聞きします。物語は折り返し地点を過ぎ、ヤマトクルーの天命が明らかになりました。第五章ではどのような試練がヤマトを待ち受けているのでしょうか?

福井第五章はA面B面のようにちょうど真ん中のところで分かれます。前半はデスラーの話、後半は地球での話。いよいよ決戦がスタートするというところですね。

──第五章のサブタイトルを「煉獄篇」にされた理由をお聞かせください。

福井煉獄というのは天国にも地獄にも行けないキリスト教徒が一時的にいる場所のことです。どちらかというと地獄に近いあの世の一歩手前という意味合いを含めて「煉獄篇」にしました。つまり、これから地獄に向かうということです(笑)。

──愛は団結すれば強さになり、他人に付け込まれれば弱さにもなり得ます。第五章で描こうとしている愛の形はどのようなものですか?

福井愛が団結した結果、第四章ではゴーランドたちを殺めてしまったわけですよね。つまりやっぱりそれって両面なんですよ。団結した側からすればそれは美しい話になりますが、起こした結果は取り返しのつかないものです。向こうには向こうの愛があったのにそれを打ち砕いちゃうわけですから、愛は美しいものである一方で大きな危険性を孕んでいます。第三章の時に愛が上手いこと機能して全員の命が助かるという奇跡を引き起こしましたよね。第五章では、第三章と対比するような形でおそらくその逆パターンが描かれることになると思います。

──デスラーの生い立ちや想いが第五章で明かされますが、本シリーズでは彼をどのようなキャラクターとして描き直そうとしているのですか?

福井前作『2199』のラストで、デスラーがなぜああいう行動を起こしたのかよく分からないという声は多かったので、それは解消しようと。きっと彼にとっては何か意味があってやったことだろうと考え、そこの部分はしっかりと描いています。そのために、ガミラスの設定を根底から揺るがすような割と大きいことをやっていますので、これからどのようになっていくのかはご覧になって頂ければと思います。

──最後に、ヤマトファンへ向けて一言メッセージをお願いします。

福井消費カロリーが倍どころじゃなく一乗二乗と何倍にも上がっていく感じなので作る側からすると本当に大変ですが、40年前の作品『さらば宇宙戦艦ヤマト 愛の戦士たち』の21世紀版として、最新の作画技術と現代に貫き通すようなテーマ設定で描き直すという志を持ち、企画段階の当初からやり通す覚悟で頑張っております。しかとその挑戦を目撃して頂ければと思います。

PROFILE

福井晴敏(ふくいはるとし)
1968年生まれ、東京都出身。小説家。著作の映画化作品も多く、近年はアニメーションや実写、漫画などの原作・脚本に軸足を置いた活動を行っている。著作に『亡国のイージス』『終戦のローレライ』『機動戦士ガンダムUC』『人類資金』など。

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※先行販売は数に限りがございます。無くなり次第終了となりますので予めご了承ください。

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