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ウルトラマンシリーズ最新作『ウルトラマンX』監督インタビュー全文掲載

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最新作『劇場版ウルトラマンX きたぞ!われらのウルトラマン』(2016年3月12日公開)の監督を務める田口清隆監督が、初めてメイン監督となった『ウルトラマン X』がBlu-ray BOX&DVD-BOXで12月24日発売決定!
各話監督としてシリーズに参加した辻本貴則監督とともに本作への思いを伺った。
※辻本貴則さんの辻は点1つです。

気がつけば影響が強い『帰マン』風になっていきました

──2人のウルトラマンシリーズの初体験を教えてください。

田口 僕は物心ついたときには怪獣図鑑を握っていたっぽいんですよ。だから何が最初の出会いかわからないのですが、僕が生まれた北海道では夜中に『ウルトラQ』を再放送していて、それを見ていた記憶は鮮烈にありました。その後マンかセブンがやっていて、まさに『ウルトラQ』『ウルトラマン』『ウルトラセブン』とウルトラの歴史順に体験できました。リアルタイムでの新作ウルトラマンシリーズは、僕は80年生まれなので『ウルトラマングレート』となりますが、新作はその後なかったので、原体験は『ウルトラQ』なんだって自覚しています。

辻本 中学の頃自主制作で『ウルトラQ』撮ったもんね(笑)。

田口 そうそう。数字の9で『ウルトラ9』っていうのを撮っていて…内容はほとんど『ガメラ』だけどね(笑)。あと『Q』でボスタング(怪獣名)の出てくる第21話「宇宙指令M774」が印象に残ってて。と言うのも子供の頃、駄菓子屋とかで売っているエイのゴム人形を持っていたんですね。友人はロブスターのゴム人形を持っていて、その2つで『ボスタング対エビラ』って映画を作ろうとしたりしてました。それが最初に作ろうとした映画なんです(笑)。だからあの回だけ何度も見返しました。

──辻本監督は?

辻本 僕の地元・大阪では、夕方5時ぐらいに再放送でずっとやっていたのが『ウルトラマン』『ウルトラセブン』『帰ってきたウルトラマン』でしたね。中でも『帰マン』の影響って強いですね。武器や技が豊富にあって派手なんです。子供ってやっぱりああいうのが好きですよね。大人になると『セブン』とかが良くなるんだけど。それこそ今では流行の客演ウルトラマンでセブンとかがきたりするし。そういう意味では『帰マン』が印象深いシリーズですね。特撮としてもローアングルで橋の下をなめながら抜けにウルトラマンとグドンが対峙するカットとかワクワクします。夕陽のカットが綺麗で…。

──辻本監督は前半の山場である前後編を担当されました。

辻本 田口さんが僕を円谷プロさんに紹介してくれる時に、「辻本さんは特撮撮れるから」ってちょっと大きく言ってくれたんです(笑)。北浦嗣巳プロデューサーも社長に自分を推薦してくれて、この2人に対して下手をしたら申し訳ない!という気持ちが強かったです。後は自分が「ウルトラマンを撮れるなら!」と自分なりのウルトラマンを全部吐き出すつもりで挑みました。だから実景合成する時も「この上に橋を入れたい」とか、気がつけば一番影響が強い『帰マン』風になっていきましたね。

──市民の避難にあう宇宙人とかプロットも『帰マン』テイストでしたね。

辻本 あれは僕がどうこうじゃなくて、ライターさんが書いてきたプロットにたまたま僕が割り振られただけなんです。ウルトラ監督新人一年生なんで僕からオーダーすることはないです(笑)。来たものに対して「あ、僕がこれやるんですね」みたいな感じでした。結果的に夕陽へのこだわりとかは出ましたけどね。後は田口監督が第1話から第3話までで作り上げた「怪獣がリアルにいる世界」をどう見せるかに力を入れました。『ウルトラマンX』ぐらいですよ、女性隊員がバズーカ撃つ前に後方確認するのは(笑)。

田口 元陸上自衛隊のミリタリーコーディネーターみたいな方が知り合いにいたので、本作の撮影前に自分で自衛隊所作(※)のワークショップに参加したんです。やっぱりこれをやらないのでは全然身体の動きが変わるってことがよくわかったので、これは隊員たちにやらせなきゃだめだと思ってレクチャーをお願いしました。引き金に指をかけていないだけで、見る人が見ればちゃんと危ないものを扱っているっていう感じが出ますからね。
※自衛隊の所作では、引き金に指をかけている場合は標的を敵と認識している状態を表し、指をかけてない場合は標的をまだ敵とは認識していない状態となる。

辻本 自分が担当した回ではそれが浸透していて、もう目の前に敵がいるのにワタルが銃の引き金に指をかけていないのでちょっと口を出そうとしたら「レクチャーでこう習いました」って言われました(笑)。

田口 ごめんなさいね(笑)。目の前に敵がいて、もう撃つんだったら入れていいんですけどね(笑)。

辻本 第6話の(ゴールド星人)tE・rUのシーンなので、撃たなくて大丈夫です(笑)。でも役者さんにも浸透してるんだなって思いました。

──でも、これは気づかない人は気づかないぞって(笑)。

田口 僕が好きな『ゴジラ』シリーズでは防衛隊がしっかり描かれていることが特徴のひとつです。なので今回のXio(ジオ)を言葉遣いからちゃんとした軍隊組織にしようとしました。「エリアAに怪獣出現」とかいっちゃうと、「Aって事はアルファベットぐらいのエリアしか守れないのか」っていう気がして(笑)。じゃあ「A9B」とかにすればいけるかなと。Xio日本支部なんだったら日本全土を守れなきゃあダメだと思ったから全都道府県に全部アルファベット振って、エリアTなら東京、エリアSなら静岡って感じですね。さらにそれを細分化してT09といったら東京の何区なんだみたいな。そのおかげで、みんなに出動時のセリフの段取りが多いって言われちゃいましたけど(笑)。

ウルトラマンにおける王道をしっかり考えてやりました

──田口監督はメイン監督としては初のシリーズになるわけですが、今までとの違いはありましたか?

田口 それこそ僕は実相寺昭雄監督が好きだったのでシリーズの中程で好きなことやって、みたいな感じが好きなんですけど今回はシリーズを通しての事を考えて自分がやるならこういう世界観の中でのウルトラマンを作りたいという思いが強かったです。やっぱり怪獣がメインでそれぞれ理由があって登場して、怪獣ごとに習性があってそれを逆に利用して人類が倒そうとするのだけどギリギリかなわないところでウルトラマンの力を借りる、というウルトラマンにおける王道をしっかり考えてやりました。その上で映像的には新しい試みに挑戦しています。例えばGoProという小さなカメラを積極的に使ってみたり。あれはカメラの小ささもさることながら、小さいレンズで広角だから距離感がスゴイでるんです。ミニチュアセットにぽんとおいても巨大感が出る。あの映像は大きいカメラでは絶対でないんです。第1話でのウルトラマンの主観映像もそうですけど、特撮の見え方の可能性が広がりましたね。今年はGoProが入ったことで『ウルトラマンX』のキラーカットというか、各監督がみんな「GoProあるなら、こういうの撮ってみよう」って挑戦しています。

辻本 いろいろな監督の作品を観ているとザナディウム光線の打ち方ひとつでもみんなアレンジをしだして、いろんなザナディウム光線撃ちをやってるんですよね。GoProもそうで、いろんなGoProの表現っていうのを突き詰めていくっていうのも面白いかもしれないですね。田口さんの第1話を観てオープンセットでのショットが凄すぎて1つの到達点を観ちゃったから逆に僕の担当回では使わなかったけど(笑)。だって『帰マン』にGoProを使ったカットなんてなかったもん(笑)。

──今後のウルトラマンシリーズについて

田口 やっぱりウルトラマンって今のいろいろな作品の原点になっている部分があるじゃないですか。でも今回のOPでも深夜アニメのOPをいっぱい観て取り入れた部分もあります。そういったいろいろな刺激や技術を取り入れ合って、特撮や実写でしか出来ない新しい作品が出来ると良いかなと思っています。大の大人が何十人もミニチュアに向かってあーだ、こーだ言って、やっていることはミニチュアの中での取っ組みあい(笑)。本当に悪い言い方をするとものすごく贅沢な怪獣ごっこ。でもそれってCGだったりアニメだったりには確実にない部分だと思う。

辻本 僕がウルトラの現場に行って気づいた部分でもあるんですけど、ミニチュアの中で怪獣が暴れるとか、ウルトラマンでしか観ることが出来ない映像ってあるんです。そういう手間のかかった実写映像を観られるのはこの作品だと思うし、作り手は大人が見ていることも意識して作っているので、「ウルトラマンは子供の番組でしょ」じゃなくて、ちゃんとストーリーもあれば、考えさせられる場面も入っているから、食べず嫌いはやめて見て欲しいなって思ってます。だって作り手側もみんなウルトラマンに憧れた人で作っているからね(笑)。

の付いたインタビューはV-STORAGE online限定の記事です。


コラム:『怪獣酒場 カンパーイ!』アフレコこぼれ話

実は両監督、2016年1月29日発売の『怪獣酒場 カンパーイ!』DVD映像特典のOVAに出演されました。『ウルトラマンX』で両監督担当回に登場した怪獣のデマーガとガーゴルゴンに扮し、怪獣酒場に来た若手サラリーマンを熱演! 巨大事業『計画X(ペケ)』を終えた2体がくだを巻く姿を演じています(笑)。

田口 今回の収録は、セリフ覚えてなかったけど、辻本監督といつものように飲みながら話す感じでいけるかなって(笑)。台本も仕事終わりの飲み会って設定でしたし。

辻本 いつも通りの僕たちでいけましたね。ガーゴルゴンとデマーガということさえ守ればOKだったので、あとは普段通りでした。いや普段はもっと口が悪いかも(笑)。あだ名つけたのが話やすくなってよかったですね。デマちゃんとガーちゃん…デマっちだっけ?

田口 結局デマちゃんって呼びましたよ。

辻本 ああ、もう無茶苦茶だ(笑)。

田口 観てもらえば、ガーちゃんデマちゃんの仲の良さが分かると思います(笑)。

PROFILE

田口清隆(たぐちきよたか)
2009年に樋口真嗣の製作総指揮のもと『長髪大怪獣ゲハラ』を監督。その後、映画『THE NEXT GENERATIONパトレイバー』のエピソード0、9、10やTV『ウルトラゾーン』『ウルトラマンギンガS』の各話監督で活躍。本作で初のメイン監督となる。

辻本貴則(つじもとたかのり)
2003年に押井守、きうちかずひろ、大川俊道らによって企画されたオムニバス映画『KILLERS キラーズ』の『PERFECTPARTNER』で監督デビュー。その後も映画『斬〜KILL〜』や『THE NEXT GENERATION パトレイバー』のエピソード2、4、8などで活躍。

<放送情報>
■テレビ東京系6局ネット(テレビ東京・テレビ大阪・テレビ愛知・テレビせとうち・テレビ北海道・TVQ九州放送):毎週火曜夕方6時〜
■BSジャパン:毎週火曜夕方5時〜
■東北放送:毎週土曜朝5時30分〜
■テレビユー福島:毎週土曜朝6時〜
■石川テレビ:毎週日曜朝6時30分〜
■宮崎放送:毎週金曜朝4時30分〜
■琉球放送:毎週土曜朝7時〜
■静岡第一テレビ:毎週日曜朝5時45分〜
■広島ホームテレビ:毎週日曜朝5時20分〜

<Blu-ray BOX&DVD-BOX発売情報>
ウルトラマンX Blu-ray BOX I&DVD-BOX I
2015年12月24日発売
Blu-ray BOX:¥19,800(税抜)
DVD-BOX:¥17,800(税抜)
「ウルトラマンX  Blu-ray BOX 1&DVD-BOX 1」新作レビュー

怪獣酒場 カンパーイ!
2016年1月29日発売
DVD:¥2,500(税抜)

<劇場版情報>
劇場版 ウルトラマンX きたぞ!われらのウルトラマン
2016年3月12日(土)全国ロードショー

ウルトラマンX 公式サイト

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