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映画『天の茶助』 SABU監督 単独インタビュー!【前編】

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SABU監督が自身の処女小説を映画化した『天の茶助』(6月27日全国ロードショー)は、天界の脚本家たちが下界で生活している人間の“人生のシナリオ”を執筆している世界で、お茶くみを担当する茶助が、死ぬ運命にある下界で生きるユリに恋をし、彼女を救うために奮闘する姿を描いたファンタジーラブストーリー。
俳優としてマーティン・スコセッシ監督の最新作『Silence(原題)』への出演も果たし、髪型をモヒカンにし、ワイルドになった監督はひとつひとつの質問に優しい語り口で答えてくれた。
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作品への熱い想い、松山ケンイチさんとの再タッグ、
「好きです」と言われると弱いという監督の素顔まで

“ご縁”を大切にしてきたからこそできた作品と語る監督に本作が生まれた経緯を伺った

自分でもこれは偶然なのかな?と思う出来事や出会いがいくつかあり、誰かや何かに導かれているのではないかと感じることが多い時期がありました。本1冊に出会う時も、たくさんの本が並んでいる中でその1冊を手に取ったことや、家に並べている本のある1冊がぴょんと飛び出していたり、自分自身に何かサインを送っているのではないかと。そのサインのおかげで脚本を書くときのヒントになったり、生活の中で活かされることがいくつかあったんです。人との出会いでもたまたま隣に座った人に声を掛けて、作品に出演して貰ったりもするんですが、それもご縁だなと常々思っていて、そういうご縁をカタチにしたいと思い、この作品が生まれました。

今回、再タッグとなる松山ケンイチさんは、裏表のなさが一番の魅力だと語ってくれたSABU監督 豪華な出演者についても伺った

松山君は純粋で話しやすく、裏表のないところが魅力です。今回、ヤクザの役もしているんですが、松山君にはヤクザのイメージが全くないのでそこもまた魅力で、「こんな松山ケンイチ初めて見た!」とお客さんにも思って貰いたかったですし、松山君のパンチパーマ姿は私自身も実は一番好きな雰囲気です(笑)。すごく似合っていてカッコ良かった。大杉漣さんはVシネ時代からの友達で、作品を撮るときは声をかけて出演してもらっている、信頼する俳優さんです。伊勢谷友介くんは僕のファンだと言ってくれていて、次何か撮るときはご一緒にしたいと思っていました、元ボクサーという役も安心して任せられる俳優さんだったので良かったですね。

今野浩喜さん(キング・オブ・コメディ)はコントを見ていても良い意味で人を気持ち悪くさせる怖さがあるので、ピッタリだろうなと思っていて、脚本を書いているときから浮かんでいましたね。オラキオさん(弾丸ジャッキー)はファンレターを貰って、『弾丸ランナー』が好きでコンビ名を“弾丸ジャッキー”にしたと書いてあって、そんなに言うてくれるならどこかで出演させてあげたいなと思っていました。そういう「好きです」とか率直に言われるのに弱いんですよね(笑)。オラキオさんも出演することをかなり喜んでくれてましたよ。

SABU監督は沖縄に移り住んで4年
本作の舞台を沖縄にした経緯を聞いてみると、少年のように目を輝かせてお話してくれた

沖縄は同じ日の同じ時間に祭り(エイサー)をやっていて、色々と見に行っていたんですが、初めて見るものばかりで面白かったんです。その中でも「こっけい」という踊りにはビックリして、絶対いつか作品で使いたいなと思いました。自分でも不思議なんですが、この原作は沖縄に移住するよりも前に書いていて、脚本を進めるうちに「沖縄」と「こっけい」が結び付いていきました。頭に“こっけい”と書いたハチマキを巻き、外見は白塗りで怖いけど動きはコミカルという異様な者たちが茶助の前を通って行ったら面白いだろうなと、どんどん浮かんでいって、まさに導かれて行ったような感じでした。
エイサーは深い意味がありそうに見えますが、「こっけい」の白塗りの上に描いた黒の線は特に意味はないそうです(笑)。それぞれ独自の個性で描いていて、みんなセンスが独特で、メイクさんが作り込もうと思ってもできないものですね。本当にすごいなと思いました。

地元の人たちと協力して作りあげたエイサーのシーン

「こっけい」の人達は本気で取り組んでいて、あの踊りを身に付けるのに山へ1ヶ月籠るんです。毎年、メンバーが変わり1か月の練習の成果を長老の前で披露する。そこでOKが出ないとその年の踊りはできないんです。旧盆に踊るんですが、『天の茶助』の撮影は旧盆の前だったので、踊りを人に見せるのは一切NGでした。なので、なんとか昨年のメンバーに踊って貰えることで承諾してもらい、メンバーが決まりました。その後も、やはり踊りは神聖なものなので、撮影する場所全てに塩を撒いたりご祈祷をしてから、撮影に入りました。大変だった分、思入れのあるシーンになりました。

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PROFILE
原作・脚本・監督 :SABU(さぶ)

1964年生まれ。和歌山県出身。
デザイン学校を卒業後、ミュージシャンを目指して東京へ上京するも俳優に転身し、『そろばんずく』(86年/森田芳光監督)で俳優デビュー。その後『ワールド・アパートメント・ホラー』(91年/大友克洋監督)で映画初主演を果たし、第13回ヨコハマ映画祭最優秀新人賞に輝いた。自ら脚本を書いた初監督映画『弾丸ランナー』(96)は国内外で高く評価される。続く『ポストマン・ブルース』も映画祭で上映されるなど話題となり、一躍その名が知られるようになった。以後、笑いを絶妙に織り交ぜたエンタテインメント作品を中心に、映像分野で創作活動を続け活躍中。本作『天の茶助』では小説家デビューも飾った。

【主な代表作】
『弾丸ランナー』(96)、『ポストマン・ブルース』(97)、『疾走』(05)、『蟹工船』(09)、『うさぎドロップ』(11) 『Miss ZOMBIE』(13) など。

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