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『攻殻機動隊 新劇場版』坂本真綾インタビュー全文掲載

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攻殻機動隊結成前夜を描いた前日譚『攻殻機動隊ARISE』でヒロイン草薙素子役に抜擢された坂本真綾さん。そしてついに集結したメンバーとの『攻殻機動隊 新劇場版』は彼女に「攻殻ワールド」の持つ新たな広がりを実感させたという。

素子の名台詞を自分が言う日が来るとは夢にも思わなかったです!

――『ARISE』と『新劇場版』。草薙素子役にも慣れましたか?

坂本真綾(以下、坂本) そうですね。『攻殻機動隊ARISE border:1』の時はキャスト全員が作品タイトルに少なからずプレッシャーを感じながら演じていたので独特の緊張感がありましたね。でもエピソードを重ねるにつれ、ストーリー展開と同じように私達もどんどん結束力が深まり、満を持しての劇場版だったので、一番いい状態で、公安9課のメンバーが揃ったのと同じような心境でアフレコ出来たかなと思います。

――『ARISE』で素子という大役を担われていかがでしたか?

坂本 実のところ15歳の時にも『GHOST IN THE SHELL/攻殻機動隊』で少女義体の素子役をやらせてもらっているんです。それ以降は、いちファンとしてシリーズ全作を観てきました。好きだからこそとてもプレッシャーでしたけど、それが原動力にもなって、自分が影響を受けたリスペクトする作品に関われる喜びと、自分にできる限りのことを尽くそうという熱意が生まれました。とにかく何かクリエイティブなことがしたいというスタッフの気持ちがすごく伝わってきて、従来のファンのイメージを壊さないように、それでいて新しいことに挑戦していこうとする方針にも共感したし、やりがいがありましたね。ただ素子の名台詞を自分が言う日が来るとは夢にも思わなかったですけどね。


怒ったり、動揺したり、感情に任せて失敗することもあったり、
もっと草薙素子が好きになりました!

――素子を演じる中で新たな発見はありましたか?

坂本 シリーズをずっと観てきた作品なので「素子ってこういう人かな」「素子はこういうとこが好きだな」と自分の中にイメージがはっきりあったので、彼女の過去についても想像しやすかった部分はありました。ただ、台本をいただくたびに、意外なセリフとか、意外な表情がいっぱい出てくるので、そのたびに新鮮でしたね。クールな印象だったんですけど、怒ったり、動揺したり、過去の素子は感情の振り幅が大きくて、感情に任せて失敗することも。だからやっぱり“人”なんだなと。失敗もあって、あのような強さを身につけたっていうのがよく分かって、もっと素子が好きになりました。あと、やっぱり素子もひとりの女性なんだなって。生々しい女性の面が出ていましたよね。でも、恋人にだけに見せる素子の顔は見たことがない部分だったので、(ロマンス回の)『ARISE border:3』はこれまで誰も知らなかった素子をそこに存在させなきゃいけないことに緊張しました。ただ、あまり考えすぎずに、とにかく相手役の方の雰囲気を見て当日、自然と出てきたものでいいんじゃないのかなっていう感じで作っていったんです。たまたまなんですけど、色々な兼ね合いで『border:3』に関しては、私と相手役の方と2人っきりでの収録だったんですよ。なのでよかったんじゃないかなと。あそこに9課のメンバー(の声優さん)がいると、きっとプライベートな気持ちになりきれなかったかもしれませんね(笑)。

――『ARISE』で一番印象に残っているのは『border:3』ですか?

坂本 いえ、やっぱり『border:1』ですね。いろんな意味でそこがはじまりでしたし、大変だったし、さらに完成したものを観たときに「素晴らしい作品に参加させていただいてるな」って改めて実感したので。それと『border:1』上映初日の舞台挨拶で、作品を観終わったお客さんたちから拍手が起きたんですね。それを聞いて、私も黄瀬総監督や冲方さんも胸を撫で下ろしたというか、まずはスタート地点に立てたっていう感慨深さがあったので印象に残っていますね。


『ARISE』と、それ以外の「攻殻機動隊」シリーズとの
世界観を橋渡しして繋いでいるのが、この『新劇場版』だと思います!

――そしていよいよ『新劇場版』が公開されます。

坂本 今回改めて9課のメンバーがそれぞれクローズアップされる場面があるんです。それぞれの得意分野や性格がよく描かれているので、改めてどのキャラも本当に魅力的だなというのを再確認する話になっていますよ。

[V-STORAGE online 限定]――そうやって公安9課のひとりひとりが良くわかっていったことをふまえて、坂本さんご自身が好きになれる9課のメンバーは誰ですか?

坂本 私、もともとはトグサがすごく好きで。いちばん普通の感覚を持っている人だから安心するというか。でも、私が関わった『ARISE』シリーズではバトーですね。本当に愛すべき、ちょっと天然ボケなキャラになっていて、いつも笑わせてくれたので今はバトーかなと。あとね、好みの好きとは少し違うんですけど、『攻殻機動隊 STAND ALONE COMPLEX』シリーズのときはイシカワがすごい好きだったんです。というか素子が「イシカワ!」って呼ぶのが好きと言うか。なので自分がそう呼べる日をすごく楽しみにしていて、(『ARISE』で)「イシカワ!」が言えた時はすごく嬉しかったですね(笑)。

[V-STORAGE online 限定]――『新劇場版』では、陸軍501機関のクルツとの話など、素子のさらなる過去が明るみになりました。そのことで彼女のイメージはさらに変わりましたか?

坂本 そうですね。客観的に見ていたときと、自分が素子というキャラクターを演じることになって内側から見たときでは、自ずと解釈も変わってきた気がします。昔は自分が幼かったのもありますけど、私にとっての素子は本当に非の打ち所がない存在だったんですよ。でもそれが間違うこともあって、いろんな経験をしてきたから身につけたものなんだというのは、同じ女性としても励みになりました。演じてみて、より彼女の内面の葛藤というか、外見はクールでも中がどれだけ熱いかっていうのがよく分かって。もしかしたら今までも描かれていたのかもしれませんが、自分が演じてみて肌で感じたことではありますね。

――『ARISE』『新劇場版』と素子を演じられて今の気持ちは?

坂本 『ARISE』シリーズをやってきて、ここ(『新劇場版』)がゴール地点になっているので、もうこれで終わってしまう。個人的には、私の関わる『攻殻機動隊』がここで終わるんだなって寂しさがあるんですけど、同時に何だかものすごい広がりも感じていて。私が『GHOST IN THE SHELL/攻殻機動隊』に出たのが20年前ですし、このシリーズは幅広い年代の人が知っているアニメですよね。で、アニメを普段観ない人や、海外の人からも人気のある作品で。これだけ多くの人を惹きつける作品で、長年愛され続けてきているけれども、今回の『新劇場版』で初めてこのシリーズに触れるっていう人もきっといると思うんですよね。新しい世代が。その人たちが、『ARISE』を観た後に、押井守監督の『GHOST INTHE SHELL/攻殻機動隊』まで遡っていっても、きっと違和感なく観られるんじゃないかと思うくらい『ARISE』と、それ以外の「攻殻機動隊」シリーズとの世界観を橋渡しして繋いでいるのが、この『新劇場版』だと思うんです。シリーズの全てを繋ぐ作品が出来たんじゃないかなと。そう思ったら、これで終わりなんだけど、私のやることはもう終わったんだけど、長い時間、人の心に残る、いつまでも世に残る作品に関わらせてもらえたんだなっていう感覚になって、大変な広がりを感じています。

PROFILE

坂本真綾(さかもとまあや)
1980年3月31日生まれ。8歳で子役デビュー。数々のCMソング歌唱、洋画・海外ドラマ吹き替えの声優を経て、96年『約束はいらない』で歌手デビュー。現在ではミュージカル出演、エッセイ執筆、ラジオパーソナリティなど多方面で活躍中。

写真/原地達浩

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