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 ロボットと人間が共に暮らす、懐かしい未来の世界。
超近代的な巨大都市国家・メトロポリスでは今、その進歩の象徴とも言うべき超高層ビル「ジグラット」の完成式典が行われていた。

 都市の実権を握るレッド公が華々しい演説をする中、ちょっとした騒ぎが起きる。式典を混乱させた男を、警備中の黒シャツの若者が公衆の面前で射殺してしまったのだ。それを見ていたのが、私立探偵のヒゲオヤジこと伴俊作と、ケンイチ少年。二人はある事件を追って、このメトロポリスにやってきたばかりだった。ところが、殺された男はロボットであることが判り、黒シャツの若者・ロックは平然と去っていく。

 この国には社会的矛盾があった。都市の構造が近代的な地上都市と退廃的な地下都市という二重構造であることに象徴されるように、この都市に生きる人々の間には、発達したロボットによって文明の恩恵を受ける者、逆にロボットによって働き口を奪われた者、ロボットにも人権を主張する団体他、様々な確執が存在した。
 特にロボット社会から人間の復権を求める自警団を組織するマルドゥク党は、ことある毎にロボットを破壊する等、混沌としたこの国は一触即発と言える状況にあった。

 ヒゲオヤジとケンイチはロボット刑事のペロと共に捜査を進め、ついに求めていたロートン博士の居場所を突き止める。ロートン博士は生体を使った人造人間の開発が問題となり、国際手配犯となっていた人物。しかし博士は、実はレッド公に匿われており、彼の指令で新たな人造人間を研究・開発中であった。その姿は、レッド公の亡き娘“ティマ”と同じ顔をしていた…。



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