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『しんちゃん通信』 映画作品ちょこっとレビュー第3回 “家族編”

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今年で25周年を迎えた「映画 クレヨンしんちゃん」シリーズ! 本コーナー「ちょこっとレビュー」では、第1作目『映画 クレヨンしんちゃん アクション仮面VSハイグレ魔王』から最新第25作目『映画 クレヨンしんちゃん 襲来!!宇宙人シリリ』までの作品の見どころや名シーンを『シリリ』にこめられた6つのテーマに沿って紹介。第3弾となる今回は、“家族”をテーマに4作品を紹介するゾ!
(文 / 大山くまお)

劇場版 第25作
『クレヨンしんちゃん 襲来!! 宇宙人シリリ』

「家族」というテーマは、映画『クレヨンしんちゃん』シリーズすべての根っこにあるといっても過言ではない。『シリリ』では、なんとシリリが放ったバブバブ光線を浴びたひろしとみさえが子どもになってしまう! でも、そんなピンチを乗り越えるため、家族で協力して南を目指そうとする。子どもになっても父は父、母は母なのだ。道中、宇宙人のシリリを家族として受け入れていく野原一家の懐の深さもすごい。

劇場版 第22作
『クレヨンしんちゃん ガチンコ!逆襲のロボとーちゃん』

ギックリ腰になってマッサージに行ったひろしが、ロボットになって帰ってきた!? 戸惑うみさえと、大喜びのしんのすけだったが、それはすっかり弱くなってしまった日本の父親たちの復権をもくろむ“父ゆれ同盟”による巨大な陰謀だった! 野原一家と春日部のピンチを救うため、ロボとーちゃんが立ち上がる!  野原一家の大黒柱であるひろしにスポットを当てた劇場版第12作は、シリーズ初登板となった高橋渉監督によるもの。劇団☆新感線の座付き作家として知られる一方、かつて映画『クレヨンしんちゃん』のプロデューサーも務めていた中島かずきさんが脚本を担当したことも話題になった。野原一家と父ゆれ同盟の衝突は、それぞれの家族像のぶつかり合いでもある。家族について考えられさせつつ、ひろしとみさえの絆、しんのすけとロボとーちゃんの絆が交差するラストシーンに涙せずにはいられない。

劇場版 第23作
『クレヨンしんちゃん オラの引越し物語 サボテン大襲撃』

野原一家がメキシコへお引っ越し! しんのすけたちがやってきたのは、メキシコのマダクエルヨバカという町。ひろしはこの町にある「美味しいサボテンの実」を日本へ輸入するために赴任してきたのだ。メキシコのご近所さんたちに囲まれて、楽しい日々が始まると思ったら、なんとサボテンは人を食べるキラーサボテンだった! 長年住み慣れた春日部から野原一家が引越してしまうという衝撃の設定が話題を呼んだ橋本昌和監督による劇場版第13作。シリーズ最高興収を記録し、第2次しんちゃんブームの到来を印象づけた作品だ。キラーサボテンとバトルを繰り広げるモンスターパニック映画だが、異国の地でも変わらない野原一家の団結力と、どんなご近所さんでも変わらず付き合いができる懐の深さが印象的。単身赴任を考えていたひろしに、みさえが怒って言う「家族はいつも一緒!」というセリフは、野原一家のあり方を端的に示している。

劇場版 第9作
『クレヨンしんちゃん 嵐を呼ぶ モーレツ!オトナ帝国の逆襲』

春日部で開催された「20世紀博」なるイベントに夢中になるひろしとみさえをはじめとする大人たち。やがて街の人々は豹変し、子どもたちを捨てて「20世紀博」に集う。すべては、ゆがんで発展してしまった21世紀を捨て、夢と希望にあふれていた20世紀に日本を戻してしまおうする秘密組織「イエスタデイ・ワンスモア」の陰謀だった――。 原恵一監督による劇場版第9作は、『しんちゃん』ファンの子どもだけでなく、大人のファンからも絶賛を集め、映画『クレヨンしんちゃん』のクオリティの高さを満天下に知らしめた。洗脳されたひろしとみさえがしんのすけたちを捨てて敵対するという衝撃の展開に背筋が寒くなるが、その後の家族が再生していくストーリーは自然と胸が熱くなる。原演出の真骨頂とも言うべき、ひろしが家族の記憶を取り戻す回想シーンも多くの観客の涙を誘った。「俺の人生はつまらなくなんかない。家族がいる幸せを、あんたたちにもわけてあげたいぐらいだぜ!」というセリフが心に残る。

劇場版 第20作
『クレヨンしんちゃん 嵐を呼ぶ!オラと宇宙のプリンセス』

ある日、ささいなことでケンカしてしんのすけとひまわり。そこへ突然、「ひまわり姫をお預かりします」という謎の男たちが現れる。男たちはUFOでひまわりを地球の兄弟星・ヒマワリ星へ連れ去ってしまった! ヒマワリ星と地球を滅亡から救うため、ひまわりを差し出すように求められる野原一家。はたして野原一家と宇宙の運命は……? 増井壮一監督による記念すべき劇場版第20作は、地球とヒマワリ星の滅亡の危機をめぐる壮大なスケールの物語。舞台は宇宙だが、やっぱり中心には「家族」がある。ひまわりを取り戻そうと悪戦苦闘するひろしとみさえだが、ヒマワリ星の大王、サンデー・ゴロネスキーに正面から説得されて気力が尽きかけてしまう。そこで立ち上がるのが、しんのすけだ。しんのすけが下した「地球もひまわりもいるんだぞ! どっちも大事!」というシンプルな結論は、しがらみのない子どもならではのものなのかもしれない。

今回紹介した過去4作品の予告編はこちら!


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