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エウレカプレス 第2弾 洗練のニルヴァーシュから無骨なオリジネート・ゼロへ デザインワークス 齋藤将嗣

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特集第2弾はオリジネート・ゼロのデザインをてがけた齋藤将嗣さん。デザインのポイントや、人気シリーズ『エウレカセブン』に参加してみての感想を伺った。

どういう経緯で今回の『ハイエボリューション1』に参加することになったのでしょうか。

『楽園追放 -Expelled From Paradise- 』で京田知己総監督とお仕事をしたことがきっかけで、今回、声をかけていただきました。『交響詩篇エウレカセブン』は好きな作品だったから、素直に嬉しかったです。最初は「TVシリーズの時より旧式のニルヴァーシュ(オリジネート・ゼロ)が登場するので、コクピットをデザインしてほしい」という話でした。それでデザインを始めたのですが、そのうちに京田総監督が「全体も描いてみない?」って言い始めて(笑)。ニルヴァーシュはもともとは河森正治さんのデザインなわけで、かなり驚きました。たぶん京田総監督としては“お試し”というつもりだったと思いますが、“お試し”でもニルヴァーシュを描かせてもらう機会なんて二度とあるかわからないので、思い切って挑戦させてもらいました。

――オリジネート・ゼロをデザインする上で意識したのはどんなポイントですか?

「TVシリーズのニルヴァーシュになる前の機体」ということで、かなり悩みました。古い機体ということなので、本来なら機体内部に収まるであろうケーブルが脚や腕のサイドにライン状に出ているとか、肩のパーツに穴をあけて試作機っぽくするとか、洗練されていない感じを加えています。全体が自動車のデザインぽいところは踏襲していますが、前のニルヴァーシュがスポーツカーなら、オリジネート・ゼロは普通の自動車ぐらいの感じです。たとえば胸のライトも、もとのニルヴァーシュは全体がきれいにカバーされていますが、オリジネート・ゼロはむき出しで、ちょっと昔の車のライトっぽくしました。

――顔周りも似て非なる感じですね。

頭の両サイドのセンサーを鋭角的な形状ではなく、円柱の武骨な形状にしました。あとニルヴァーシュの顔は、額のV字マークと角も特徴的なのですが、オリジネート・ゼロでは角をはずして、Vをひっくり返したAマークにしています。

――本編で描かれたオリジネート・ゼロはいかがでしたか?

僕は、ちょっと垢抜けない感じのメカが、動くことでかっこよくなるというのがすごく好きなんです。だから、無骨なオリジネート・ゼロが、圧倒的な作画で描かれていた、「サマー・オブ・ラブ」のシーンはとてもうれしかったです。オリジネート・ゼロについては本編ではもうちょっとプラスアルファもあるので、そこも見逃さないでいただければ。

――齋藤さんはオリジネート・ゼロ以外にも、サマー・オブ・ラブの要で登場する決戦弾頭シルバーボックスも手掛けたそうですね。

はい。シルバーボックスのデザインにあたっては、京田総監督から「フェス」というキーワードと「呆気にとられるような」というオーダーが出てきました。そこで、あんな激しい戦場に花が咲いたらインパクトがあるのではないか、というつもりでデザインしました。予告ではちょっと出てくるだけですが、本編を見ると確かに呆気にとられるような感じに仕上がっているので、本編を見ていただけると、どういう狙いのデザインだったのかが、よく伝わるのではないかなと思います。

――『ハイエボリューション1』に参加していかがでしたか。

初参加ということで『エウレカセブン』という枠を意識しないでデザインすることが求められていたのかなと思いました。なので「怒られてもいいからまずラフ出してみる」という気持ちで作業をしました。それで何か新しいものが付け加えられたのなら、うれしいです。

PROFILE

齋藤将嗣(さいとうまさつぐ)
●デザイナー、イラストレーター。主なアニメ作品に『楽園追放 -Expelled From Paradise- 』『CYBORG009 CALL OF JUSTICE』などがある。


<公開情報>
9月16日より全国ロードショー

交響詩篇エウレカセブン ハイエボリューション 公式サイト

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