インタビュー | アリスと蔵六

忘れてしまった大切なものに出会う感動のSFファンタジー!『アリスと蔵六』髙山文彦インタビュー

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第17回文化庁メディア芸術祭マンガ部門新人賞を受賞した、今井哲也原作の“泣けるSFファンタジー”『アリスと蔵六』のBlu-ray BOX第1巻&Blu-ray第1巻が、いよいよ2017年7月28日(金)に発売される。そこで今回は、豪華スタッフ陣が集結した本作でシリーズ構成を担当した髙山文彦さんに改めて話を伺った。

SF的設定なので、現実に存在しない事象や状況を出来る限り説明的にならないように観客に伝えたいとは考えていました

──髙山さんは原作を読まれたうえでこのお仕事を担当された、と松倉プロデューサーより伺いました。原作を読んでみての率直な感想をお聞かせください。

髙山最初に原作の単行本を渡された時は二巻までしか出ていなかったのですが、その時点でもとても面白いと思いました。三巻以降、スティーヴン・キングの「ファイアスターター」的展開になるだろうとのこちらの予測も軽く外されて爽快な気分でした。

──髙山さんは「原作があるアニメの脚本」を担当される際、ご自身で意識されていることはありますか? また、今回『アリスと蔵六』の脚本・構成を練る際に意識されていたこと、決めていたことはありますか?

髙山私の生産量が低いせいで、(物語としての)明確な原作がある作品の脚本をやるのは二度目で、語るには経験値が不足しています。脚本作業に限定せず、とりあえず意識しているのは、物語を「観客に判り易く」という事でしょうか。SF的設定なので、現実に存在しない事象や状況を出来る限り説明的にならないように観客に伝えたいとは考えていました。

──原作者の今井先生とは脚本、構成についてどんなお話をされましたか?

髙山映像作品の場合、回想が頻繁に入ると物語が判り難くなるので、時間の進み方をできるだけリニアにしたいとお話して、その点の変更は了解をいただきました。二部の方が映像化するには困難な点が多かったので、大野木くんに構成協力してもらい、最終的にはブレーンストーミングみたいな形で作業を進めました。今井先生がほとんど毎週脚本打ち合わせに参加されたので、判断に迷う時は原作者に投げっぱなしという秘技が使えたのが楽で良かったです(笑)。

内藤のような、ちょっとスーダラ混じりのキャラクターが好みなのです

──桜美監督とは、脚本を作っていくうえでどういったお話をされましたか? また、監督からはどんなオーダーがありましたか?

髙山最初は監督未定の状況からスタートしたので、桜美くんが参加したのはラフ構成が終わり、私が第1話・第2話の脚本を書き始めた頃でした。直接的なオーダーは、脚本打ち合わせが始まってから、その場で具体的なシーンを前に、直接聞いたものがほとんどです。私に関しては、「あんたの脚本は指示がいちいち細かすぎる、箸の上げ下げに文句を言う姑かよ」(大意)的文句を言われたような記憶が…(笑)。

──何度もタッグを組まれていますが、桜美監督とのお仕事、本作ではいかがでしょうか?

髙山昔は素直だったのに、仕事を重ねるたびに、私の意見に反対する割合が少しずつ増えてきたような気がします(笑)。

──髙山さんのお気に入りのキャラクターは誰ですか? また、ご自身で特に気に入っている話数は何話でしょうか?それぞれその理由もお聞かせください。

髙山あえていえば内藤でしょうか。ああいう、ちょっとスーダラ混じりのキャラクターが好みなのです。

──最後に、読者へのメッセージをお願いします。

髙山制作者の一人として精一杯努力したつもりです。最終回まで楽しくご覧になっていただければという、こちらの希望が叶えられれば嬉しいのですが。

PROFILE

髙山文彦(たかやまふみひこ)
OVA『機動戦士ガンダム0080 ポケットの中の戦争』の監督として知られる。代表作に、『WXIII 機動警察パトレイバー』総監督、『ガンパレード・マーチ 〜新たなる行軍歌〜』シリーズ構成・脚本、『青い花』シリーズ構成・脚本などがある。


<再放送情報>
BS11にて毎週土曜19時〜放送中
※放送日時は変更になる場合がございます。


<Blu-ray発売情報>
アリスと蔵六 Blu-ray Box第1巻&Blu-ray第1巻
2017年7月28日発売
Blu-ray Box特装限定版:¥19,000(税抜)
Blu-ray:¥6,000(税抜)

アリスと蔵六 公式サイト

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