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『素敵なダイナマイトスキャンダル』第17回ニューヨーク・アジアン映画祭オープニング上映 冨永昌敬監督&主演・柄本 佑 登壇 Q&Aレポート到着!

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昭和後期のアンダーグランドカルチャーを牽引した伝説の雑誌編集者、末井 昭の自伝的エッセイを『南瓜とマヨネーズ』、『ローリング』の冨永昌敬監督が7年かけて完成。映画、テレビドラマ、舞台など幅広く活躍を続け、末井本人に顔がそっくりな柄本 佑を主演に据え、動じない妻役に前田敦子、魅惑の愛人役に三浦透子、爆発する母役に尾野真千子、さらに峯田和伸、松重 豊、村上 淳など人気・実力派俳優が脇を固める『素敵なダイナマイトスキャンダル』。
2018年6月29日(金)より開催中の第17回ニューヨーク・アジアン映画祭のオープニング作品として、『素敵なダイナマイトスキャンダル』(2018年3月17日公開)が上映され、上映後に行われた冨永監督と主演の柄本 佑によるQ&Aのレポートが到着いたしました。

第17回ニューヨーク・アジアン映画祭オープニング上映 冨永昌敬監督&主演・柄本 佑 登壇 Q&Aレポート到着!

第17回ニューヨーク・アジアン映画祭オープニング上映後Q&Aレポート

ニューヨークのリンカーン・センターにあるウォルターリード・シアターで現地時間6月29日(金)から7月15日(日)まで開催されているニューヨーク・アジアン映画祭は、アジアの数々の話題作が毎年に一挙に観られるアメリカ最大のアジア映画祭。そして、そんな大規模な映画祭の本年度オープニングナイト作品として選考されたのが、『素敵なダイナマイトスキャンダル』だ。
そんなニューヨークの映画ファンが注目する同映画祭のオープニングナイトに、日本から本作の主演をつとめた柄本 佑さんと冨永昌敬監督が登壇し、作品への想いをニューヨークの観客に吐露した。

Q.【冨永監督への質問】
映画内では、(末井本人の)信じられないようなストーリーが描かれているが、どの程度、末井さんの原作に従って描き、どの程度創作上の特権をもとに(冨永さん自身の解釈として)自由に付け加えて描いたのか?

(冨永)末井 昭さんが1984年に『素敵なダイナマイトスキャンダル』という本を書きました。それから約30年後に、彼は『自殺』という本を出しています。その2冊が今作の基になっていて、どちらも末井さんのお母さんが、あのような死に方をしたことに関する自分の人生観を書いています。末井さんのちょっと特別な人生ではありますけれど、どの時代の若者がこの作品を読んでも、これからその若者が生きていくためのヒントが満ち溢れていると思いました。
母親がダイナマイトで自殺したということは、彼のその後の人生に大きく影響しています。彼は人生において、自分には色々なものが足りないと思っています。それでも、自分のアイデアを積み重ねることによって、自分や友人たち、雑誌の読者を楽しませることをずっと続けている人です。
だから、彼はエロ雑誌を作れなくなったとしても、じゃあパチンコ雑誌でも作ろうと考えられる柔軟な人なんです。そういうところは、多くのクリエイターにとってすごく参考になると思いましたし、だからこの映画を若い人たちに観てもらいたいと思っています。

Q.【柄本さんへの質問】
どのような下準備をしたのか?末井さんに会ったのか?

(柄本)末井さんには、撮影前に一度お会いしました。その時はご飯を食べたり、ちょっとお酒を飲んだりしました。僕が初めて原作となる単行本を手にした際に、末井さんの顔が僕の顔に似ているなぁと実感したことと、監督にその後会った時に、監督から「祐くんがやる以上、もう祐くんのままで良いから」と言われて、もうその二つを頼りに、現場に入って、もう開き直ってやるぞぉと思っていました。
でも末井さんは撮影現場に10日間くらいいらして、スーパーバイザーとしてアドバイスを一杯してくださいました。最初の方は緊張していたのですが、緊張していても仕方ないので、とにかく末井さんを見てやろうと観察したところ、末井さんが人と喋ったりするところよりかは、一人でなんかぼっと佇んでいるところが、非常に参考になったと思っています。

Q.【柄本さんへの質問】
末井さんを観察したことで、彼がいかにチャーミングであるかを理解して演じていたのか?それとも末井さんらしさを柄本さん自身の判断で役に盛り込んで演じていたのか?

(柄本)観察からもあると思います。ほかにも、初めて末井さんと会った時に、末井さんと僕が同じ色のブランドの種類の違うスニーカーを履いていらしたんです。(一緒に飲んでいた店を出る時に)末井さんが僕の靴を間違えて履いて帰っちゃたんです。僕は、『あれ、これ末井さんが履いていた靴だ、やった!』と思って、これから末井さんの役をやるために、間違えたままにしておいたんです。それからずっと撮影が終わるまで末井さんの靴を履きっぱなしにしていたんですけれど、どうも人は足元から似てくるところがあるらしくて、足の形がなんとなく似てきて、(僕の)体から(末井さんの雰囲気が)醸し出されたのかもしれません。もう一つは、冨永監督がそういった部分を引き出してくれたというのが、一番大きいかもしれません。自分は、この徹底された世界観の中に、徹底された衣装と髪型でセットに入って、セリフを言うという非常にシンプルことをしていた気がします。

Q.【冨永監督への質問】
題材的にR-指定寄りの(エロスの多い)作品を探求することもできたが、(ドラマ性を主体にした)PG寄りの作品にしたのはいかなる決断があったのか?

(冨永)末井さんの職業はエロ雑誌を作ることでしたが、この映画はポルノではないので、そこをはっきりしておきたいと思います。僕はポルノもセックスも見るのは大好きですし、末井さん自身もポルノ雑誌を作っていましたけれど、彼はポルノには興味はなかったらしいです。やっぱり映画で描いたように、グラフィックデザイナーになりたいという気持ちがずっと彼にはあって、その結果ほとんど偶然だと思うんですけれど、ポルノ雑誌を作ることになったんです。ただ自分の雑誌を大きくすることが目的ではなくて、あくまで自分はクリエイターであり、読者を楽しませようという気持ちを貫いたというところが、我々(製作者)が尊敬しているところです。

Q.【冨永監督への質問】
ポルノ雑誌のオリジナルの写真映像に似せて、ポルノ雑誌の撮影シーンを撮っていたのか、それとも当時の撮影状況だけを再現して撮影していたのか?

(冨永)全部本物を使いました。再現するのに別のものを使ったら、一番嘘つきになるなと思ったんです。雑誌の面白さを映画で伝えるのは難しいことです。雑誌の面白さは雑誌の面白さなので、そこは僕らがやることではないし、末井 昭が作っていた雑誌はこういう雑誌でしたということは、なるべく映画の中では紹介しないようにしていました。僕らがやりたかったのは、雑誌を紹介することではなく、末井 昭という人物を通して、今の若い人たちにいろんなことを考えてほしいという思いで作ったので、雑誌は本物じゃないと駄目なんですよね。

Q.【冨永監督への質問】
柄本演じる末井が話している相手が、体に絆創膏が付いていたり、メガネが曇っているたりするのは、なんらかの意図があったのか?

(冨永)よく気づいてくれました。メガネが曇っていたり、怪我をしている人たちは、ほとんどが彼(末井)の敵です。今から30〜40年前の日本は戦争に負けたことで、これから国を立て直そうということで、みんなよく働いたんです。アメリカに負けるな、みたいな感じで働いていました。
そういう人たちは、メガネが曇っていても気にしていなかったんです。自分が怪我をしても気にしなかったんです。
そういう人たちからすると、末井さんのような自分の人生に悩んでいる若者は、批判する対象なんですよ。もう怒りたくって、しょうがないんです。彼らからしたら、みんなこんなに一生懸命仕事しているのに、お前(末井)は何を悩んでいるんだというのが、ほとんどの大人だったんだと思います。そういう人たちから、彼(末井)は見つめられます。その時に、彼らのメガネが曇っているんです。
一方で、彼(末井)の味方になるグループ、女の人たちにもメガネをかけている人は(劇中に)何人かいますが、彼女たちのメガネは曇っていないんです。彼(末井)にひどい目に遭わされる笛子の目も曇っていません。それは、彼を信じているからです。

当日、ほぼ満席だった上映会では、ダイナマイトで爆発した母親と不倫相手の姿に声をあげて驚き、多くの下ネタ満載のシーンでは声を出して笑っていて、国境を越えて笑いは彼らにも届いていたようだ。さらに上映後に観客に映画の感想を聞いてみると、エネルギッシュな末井の姿に、ハスラー誌のラリー・フリントやプレイボーイ誌のヒュー・ヘフナーを彷彿させると語ってくれたアメリカ人が多く、彼らにとっても興味深い人物として捉えられたようだ。

 


左:冨永監督、右:柄本 佑

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ストーリー
バスも通らない岡山の田舎町に生まれ育った末井少年は、7歳にして母親の衝撃的な死に触れる。肺結核を患い、医者に見放された母親が、隣の若い男と抱き合いダイナマイトに着火&大爆発!!心中したのだ――。

青年になり上京した、末井昭は小さなエロ雑誌の出版社へ。のち編集長として新感覚のカルチャー・エロを創刊。奮闘する日々の中で荒木経惟に出会い、さらに末井のもとには南伸坊、赤瀬川源平、嵐山光三郎ら錚々たる表現者たちが参集する。その後も発禁と創刊を繰り返しながら、数々の雑誌を世におくりだしていく......。
数奇な運命を背負い、転がる石のように生きてきた青年が辿り着いた先は――?

キャスト
柄本 佑 前田敦子 三浦透子
峯田和伸 松重 豊 村上 淳 尾野真千子
中島 歩 落合モトキ 木嶋のりこ 瑞乃サリー 政岡泰志 菊地成孔 島本 慶 若葉竜也 嶋田久作

スタッフ
監督・脚本:冨永昌敬 原作:末井 昭「素敵なダイナマイトスキャンダル」(ちくま文庫刊)
音楽:菊地成孔・小田朋美 主題歌:尾野真千子と末井 昭「山の音」(TABOO/Sony Music Artists Inc.)

※本作は、映倫によって「R15+」に指定され、劇場公開されました。


▼素敵なダイナマイトスキャンダル 公式サイト
dynamitemovie.jp
▼素敵なダイナマイトスキャンダル 公式Twitter
@sutekina_movie

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