しんちゃん通信ココだけ | クレヨンしんちゃん

『しんちゃん通信』 映画作品ちょこっとレビュー第5回 “ホラー編”

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

今年で25周年を迎えた「映画 クレヨンしんちゃん」シリーズ! 本コーナー「ちょこっとレビュー」では、第1作目『映画 クレヨンしんちゃん アクション仮面VSハイグレ魔王』から最新第25作目『映画 クレヨンしんちゃん 襲来!!宇宙人シリリ』までの作品の見どころや名シーンを『シリリ』にこめられた6つのテーマに沿って紹介。第5弾となる今回は、“ホラー”をテーマに4作品を紹介するゾ!
(文 / 大山くまお)

劇場版 第25作
『クレヨンしんちゃん 襲来!! 宇宙人シリリ』

しんのすけとシリリの心温まる交流など、ハートウォーミングな要素の強い本作だが、実は中盤あたりにかなり不穏な展開が待ち構えている。全財産を盗まれた野原一家がUFOマニアの八尾に拾われて家に立ち寄るシーンは、まるでサスペンス映画のよう。またサーカス団のシーンでは、シリリが不条理なまでの恐怖を与えられ、観客席の子どもたちも震え上がったはず。シリリを救出するしんのすけのスーパー5歳児ぶりが頼もしい。

劇場版 第24作
『クレヨンしんちゃん 爆睡!ユメミーワールド大突撃』

野原一家をはじめとする春日部の人々が、夢の中で不思議な世界「ユメミーワールド」に迷い込み、毎日悪夢にうなされるようになる。悪夢の原因は、夢の研究者・貫庭玉夢彦だった。夢彦は悪夢ばかり見る娘のサキのため、人々から楽しい夢を奪っていたのだ。しんのすけとかすかべ防衛隊は夢の中に入り込み、サキを悪夢から助けようとするが……。
高橋渉監督による劇場版第24作。テーマは「夢」だが、本当のテーマは「悪夢とそれをもたらす原因(トラウマ)」。幼い頃の辛い経験を抱えたサキを苛む悪夢の世界は、まさしく恐怖そのもの。サキの母・サユリが悪霊化するシーンは大人でも震え上がる。劇場では恐怖のあまり泣き出す子どもも少なくなかった。シリーズ屈指の恐怖作品だが、サキが悪夢を克服するシーンは感動的。
なお、サユリを演じた女優の吉瀬美智子がサユリの悪霊の声も担当している。

劇場版 第14作
『クレヨンしんちゃん 伝説を呼ぶ 踊れ!アミーゴ!』

しんのすけの周りで“そっくり人間”が現れるというカスカベ都市伝説が話題になる。人間そっくりなニセモノが出没し、本物の人間はいつの間にか姿を消してしまうというものだ。そして徐々に人々の様子がおかしくなり、ついにニセモノ人間たちが本性を表しはじめる。しんのすけは消えた住民たちを助けられるだろうか……!?
ムトウユージ監督による劇場版第14作のテーマは、ズバリ「ホラー」。「どうせやるなら大人も子どもも怖がるものにしよう!」と意気込んだムトウ監督が選んだのは、子どもがもっとも怖がる「親やまわりの人たちが何者かに入れ替わっている」というシチュエーション。風間くんが後ろを向いている間に風間くんのママの顔が化物になるシーンは、ファンの間で語り草だ。恐怖シーンの連続から能天気なクライマックスへのすさまじいギャップは、いかにも映画『クレヨンしんちゃん』らしい。

劇場版 第4作
『クレヨンしんちゃん ヘンダーランドの大冒険』

しんのすけたちが遠足でやってきた遊園地「群馬ヘンダーランド」。実はそのヘンダーランドこそ、異次元からやってきたオカマ魔女、マカオとジョマの秘密基地だった! 魔法のトランプを持ったしんのすけが、彼らに国を乗っ取られたトッペマから魔法のトランプを受け取ったしんのすけは、オカマ魔女たちと地球の命運を賭けた大決戦に臨む!
本郷みつる監督による劇場版第4作は、傑作と呼び名が高いファンタジー作品。敵たちもユーモラスなのだが、ファンタジー特有のどこかゾッとする演出がそこかしこに仕込まれている。なかでも怖いのが、雪だるまの姿をしている悪役、ス・ノーマン・パー。しんのすけの家に現れ、みさえとひろしに取り入ってしまい、2人が眠ってしまった夜中にしんのすけに襲いかかる! 愉快な見た目をしている分、なおさら怖い……。でも、しんのすけが恐怖を振り切り、たった一人でヘンダーランドに乗り込むシーンは胸が熱くなる。

劇場版 第16作
『クレヨンしんちゃん ちょー嵐を呼ぶ 金矛の勇者』

人間界の支配をたくらむ暗黒世界ドン・クラーイの帝王アセ・ダク・ダークは、失われた「金の矛」と「銀の盾」を取り戻すために配下を人間界に送り込む。ダークの策略で人間界とドン・クラーイの扉を開けてしまったしんのすけは、謎の少年マタ・タミに導かれて「金の矛」の勇者となり、アセ・ダク・ダークと戦うため立ち上がる!
本郷みつる監督が復帰した劇場版第16作は、本郷監督が得意とするファンタジー作品。しんのすけが迷い込む“夜”の世界は、美しくもあり、怖くもある。ダークの部下、マック・ラ・クラノスケが醸し出すムードも不穏そのもの。クライマックスでは、ひろしとみさえの手を借りずに、たった一人でアセ・ダク・ダークに戦いを挑んだしんのすけが、これでもかというほど追い詰められる。それでも恐怖を乗り越えて戦うしんのすけの姿に、思わず声援を送ってしまう。

今回紹介した過去4作品の予告編はこちら!

<発売情報>

映画 クレヨンしんちゃん 襲来!! 宇宙人シリリ
2017/11/10発売
BD ¥4,800(税抜)/DVD ¥3,800(税抜)

<発売情報>

映画 クレヨンしんちゃん DVD-BOX 1993-2016
好評発売中
¥33,333(税抜)

続きを読む

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

© Bandai Namco Filmworks Inc. All Rights Reserved.