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完全新作劇場版『ラブライブ!The School Idol Movie』キャストインタビュー③新田恵海全文掲載

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観客動員200万人&興行収入28億円突破、大ヒット劇場版アニメ『ラブライブ!The School Idol Movie』の待望のBlu-ray化を記念して、高坂穂乃果役の新田恵海さん、園田海未役の三森すずこさん、南ことり役の内田彩さんの3人にそれぞれインタビューを敢行。V-STORAGE本誌では掲載しきれなかったスペシャルインタビューの全貌をお届けします。ラストを飾るのは、高坂穂乃果役の新田恵海さんです。

私も穂乃果に引っ張ってもらっている一人なんだと思います

──まずはTVアニメシリーズについてお話をお聞きします。2013年1月からTVアニメ1期が放送されましたが、ストーリーにのせて表情豊かに描かれる穂乃果たちをご覧になった感想をお願いします。

新田 それまでも演じていたメンバーたちではあったんですけど、TVアニメの彼女たちを演じることによって、今まで近いようで少し距離のあったμ'sがすごく身近な存在になったような気がしました。良い意味で距離感がなくなったというか、私自身も穂乃果の気持ちや存在に近づけたように思いますし、穂乃果からも近寄ってきてくれたのかなって。最初の頃は演じているという感覚があったんですけど、今では自分の中に穂乃果がいて、そのスイッチが入ると勝手に穂乃果が喋ってくれるような感覚がありますね。

──新田さんが演じられている穂乃果は明るくてポジティブでみんなを引っ張っていく女の子ですが、自分に似ているなと感じる部分はありますか?

新田 楽しいことや人の笑顔が大好きという部分では穂乃果と近いかもしれません。ただ、私も前向きな方だとは思うんですけど、穂乃果ほどプラス思考ではないですし、あそこまでエネルギーのあるタイプではないんです。そう考えると、私も穂乃果に引っ張ってもらっている一人なんだと思います。でも、思いついたら考えるよりも先に行動してしまうっていうところは似ているかなと思います。

もっともっと可愛くなっていくこの子たちを見ていたい

──TVアニメ1期で印象に残っている話数やシーンを教えてください。

新田 どれも印象に残っているんですけど、TVアニメ1期の第1話のラストで「ススメ→トゥモロウ」を歌う穂乃果のシーンは本当に今でも印象に残っています。穂乃果が一人で喋り倒しているといった感じの第1話ではあるんですけど(笑)、最後に「ススメ→トゥモロウ」が流れるんです。その歌い始めにある「だって可能性感じたんだ そうだ…ススメ! 後悔したくない 目の前に僕らの道がある」っていう言葉から、この『ラブライブ!』という物語が動き出したように感じているので、そのシーンは私の中で大きなターニングポイントだったように思いますし、TVアニメが始まったんだって実感した瞬間だったように感じます。あと、TVアニメ1期で言うと、μ'sが9人全員揃ってファーストシングルの「僕らのLIVE 君とのLIFE」を歌う第8話も印象に残っています。映像が新しくなり、スタッフさんの作品に懸ける愛情をすごく感じました。でも、歌は新録せずにその頃のものを使用していて、その当時、まだ右も左も分からないところから始まった物語が、一つの道として繋がったっていう感覚を今でも思い出しますね。

──続いて、TVアニメ2期で印象に残っている話数やシーンを教えてください。

新田 TVアニメ1期はμ'sが集まるまでの物語を描いていたんですけど、TVアニメ2期は3年生が卒業する事実にメンバーたちがどう向き合っていくかということが一つのテーマでした。そういうこともあって、どの話数も大切なシーンが多かったんですけど、中でもみんなで海へ行って「大会が終わったら、μ'sはおしまいにする」と決断した第11話のシーンは本当に忘れられないですね。収録の時も、みんながきっと泣いてしまうからって、そのシーンだけ飛ばして。本来はテストをしてから本番に臨むんですけど、その時だけはぶっつけ本番みたいな形で収録したんです。アニメのμ'sのように私たちもマイクを前に横並びになって収録したんですけど、お互いの顔を見なくても何となく通じ合うものがあるんです。穂乃果と過ごした時間が長かったので、その言葉を口にすることは芝居であっても辛かったし、寂しかったんですけど、その決断をした彼女たちをもっともっと応援したいという気持ちになりました。TVアニメ2期は全体を通して、メンバーの成長をすごく感じましたね。TVアニメから応援するようになってくださったファンの方にも、それ以前から応援してくださっているファンの方にとっても、胸に響くシーンがたくさんあったんじゃないかなって思います。あと、個人的にお気に入りなのは、第5話の凛ちゃんの「Love wing bell」ですね。凛ちゃんに限ったことではないんですけど、何かがきっかけで女の子が変わる瞬間って、こんなにもキラキラしていて可愛いんだなっていうのを目の当たりにしたというか、もっともっと可愛くなっていくこの子たちを見ていたいなって思いました。

──これまでのアフレコで印象に残っていることを教えてください。

新田 やっぱりTVアニメ1期の第1話のアフレコですね。メンバー全員が登場しているんですけど、穂乃果だけ台詞の量が圧倒的に多くて収録の時は大変でした(笑)。これまでもドラマCDなどで演じてきた穂乃果ではあったんですけど、今まで見たことのない新しい穂乃果に出会って、様々な表情を見せるエネルギッシュな彼女をどう表現するか、迷いではないんですけど、少し戸惑いがありましたね。穂乃果のパワーが本当に凄くて、それを表現するのに息を切らしながら演じていたのを今でも覚えています。

穂乃果は劇場版でヒーローになるんです(笑)

──今年の6月には劇場版が公開されましたが、ご覧になった感想をお聞かせください。

新田 自分でも不思議なんですけど、自分が演じているというよりは、一人のファンとしてμ'sの物語を見守っているという感覚の方が強いです。最初は涙が溢れて止まらなかったんですけど、観終わった後は清々しい気分でした。もちろん寂しい気持ちもあるんですが、それ以上に、μ'sのみんなを応援してきた立場として、一緒に歩んできた人間として、高坂穂乃果を演じてきた新田恵海として、すごく誇らしい気持ちになりました。μ'sのみんな立派だなぁ、スクールアイドルって素晴らしいなぁって思いますね。

──そんな劇場版のBlu-rayが12月15日に発売されます。改めて劇場版の見どころを教えてください。

新田 Blu-rayなら何度でも見返すことができますし、劇場の大きなスクリーンで観るのとはまた違った楽しみがあると思います。スタッフさんの愛情というか茶目っ気というか(笑)、色んなシーンに小ネタが散りばめられているので、そういうのを楽しんで頂くのも楽しみ方の一つだと思います。あとはやっぱり、限られた時間の中で展開する穂乃果たち一人ひとりの青春物語ですね。最初はバラバラだった女の子たちが集まって、一つの目標を掲げ、それに向かって努力して、それを成し遂げて、さらに大きな世界へ羽ばたいていく…。そこには苦しい決断だったり、楽しいことばかりじゃなく悲しいことも色々あったと思うんです。そういう沢山の壁を乗り越えて、その先にある宝物を見つけようとする彼女たちの姿を改めて観て欲しいです。

──劇場版の中で“穂乃果のココを観て欲しい”という注目ポイントを教えてください。

新田 劇場版の中で、穂乃果はまた一つ迷いを抱えるんですけど、その時に“ある人”と出会うんです。その人との出会いをきっかけに、穂乃果の想いというのが移り変わっていくんですけど、その人が誰なのかは明確にしていないんです。でも、それで正しいと思っていて、私も「これが正解」と答えを持って演じてはいません。観る方によって、それがどんな存在であってもいいと思うんです。人生において自分を変えるような人との出会いだったり、そういう瞬間だったりが誰にでもあると思うんですけど、穂乃果にとってそれが劇場版の中で起こる。その時の穂乃果の表情や、心の移り変わりっていうのを、ぜひ自分に重ねて観て頂きたいなと思います。あと、穂乃果は劇場版でヒーローになるんです(笑)。ことりちゃんの台詞で「穂乃果ちゃん、ヒーローみたい」っていうのがあるんですけど、私が考えるヒーローは「みんなに答えをあげるということではなく、それぞれの想いが目指す場所に行けるように、そのきっかけを作ることができる存在」という意味で。すごくエネルギーがあって前に進んでいくんだけど、一人の人間として迷いもある…。だけど、なぜかその人に付いて行きたいと思えるようなヒーロー感を意識して穂乃果を演じているので、そのあたりにも注目して欲しいです。

故郷の長野にμ'sとして『ラブライブ!』と一緒に凱旋できたことが嬉しかった

──劇場版では幼い頃の穂乃果も登場しましたが、演じる上で注意したことはありますか?

新田 幼少期の穂乃果が出てくるシーンって、いつも海未ちゃんとことりちゃんが側にいるので、演じる年齢としてはもちろん下がっているんですけど、三人の関係性が変わっていないということもあって、特に変わらないですね。ただ、小さい頃の穂乃果を演じる時は、いつも以上に自由に演じています(笑)。

──今回のBlu-ray特装限定版には中野サンプラザホールで行われた「μ's Fan Meeting Tour 2015〜あなたの街でラブライブ!〜」の映像が収録された特典Discが入っています。ファンミーティングの際に、記憶に残っている新田さんの思い出を教えてください。

新田 ファンミーティングツアーは全部で10都市25公演あって、私はそのうちの23公演に参加させて頂いたんですけど、日本各地様々な場所に行かせて頂いて、ライブの時とはまた違った雰囲気だったり、その土地ならではの空気感があってすごく楽しかったです。メンバーのみんなも言っていましたが、やっぱり関西圏はノリが良くて、海未ちゃんに矢を射たれた時のファンの方の“うっ!”って倒れるリアクションが大きかったり(笑)、北海道や東北地方では柔らかいほっこりした独特の雰囲気があったり、本当にその土地でしか味わえない体験をさせて頂いたと思いますね。今回のファンミーティングみたいにファンの顔が見えるイベントってなかなかないですし、私たちがμ'sとして頑張っていることが、こんなに沢山の人を笑顔にすることができるんだっていう喜びを改めて実感した場でもありましたね。あと個人的には、故郷の長野にμ'sとして『ラブライブ!』と一緒に凱旋できたことが本当に嬉しかったです。そこでファンの方が「おかえり」って言ってくださって、すごく温かい気持ちになりました。

自転車に乗って登場したら笑いが起きて、メンバーからもサーカスの熊みたいって(笑)

──ここからはμ'sについてお話をお聞きします。μ'sとして様々な楽曲を歌ってこられましたが、この曲を聴くと自然とテンションがあがっちゃうという曲を教えてください。

新田 テンションがあがっちゃうで言うと、やっぱり「No brand girls」です。ライブで何回も歌わせて頂いている曲で、曲に入る時に私がカウントして合図するんですけど、ファンの方と一緒に歌って踊れる曲なんです。最初にレコーディングした時はμ'sだけの曲だったのが、今ではファンの方と一緒に歌う曲になりました。なので、練習をしていても、ファンと一緒に歌っているような、そんな感覚になりますね。

──μ'sとして活動されていて、これまでの中で印象に残っている思い出は何ですか?

新田 もちろんライブやイベントも思い出に残っているんですけど、どちらかとういうと、私はメンバーとの何気ない日常の方が印象に残っています。みんなでお弁当を食べている時とか、個人的にはライブのリハーサルの時間が好きで、同じものを目指している瞬間ってすごく楽しいし、ワクワクするし、だけど大変なことや悩みもあったり…。でも、それを一緒に乗り越えられる仲間がいるって素晴らしいことですし、幸せだなって本当に思います。

──ライブやイベントなどで“やってしまったな”という失敗談があれば教えてください。

新田 そうですね、5回目のワンマンライブ「ラブライブ! μ's Go→Go! LoveLive! 2015 〜Dream Sensation!〜」の時に、衣装が足に引っかかって取れてしまったことはありました。あと、ずっとニコ生を担当させて頂いているんですけど、色々なことがありまして…(笑)。番組の中で罰ゲームを毎回やっていて、走ってフレームアウトした時に、滑って転んで椅子に鼻を思い切りぶつけてしまったんです。映っていないところで“ガシャン”って音がして戻ると鼻が赤いっていう(笑)。あと、目に見えない何かとエアファイトして倒してくださいと言われ、一年間戦い続けるとか、色々なことに挑戦しましたね。あと、私の中で未だに腑に落ちないのが、3回目のワンマンライブ「ラブライブ! μ's 3rd Anniversary LoveLive!」の時に、穂乃果ソロで「夢なき夢は夢じゃない」という曲を歌わせて頂いたんですけど、何か穂乃果らしい演出がしたいと演出家さんと話していて、自転車に乗って歌ったら青春っぽくて良いんじゃないかって、自転車に乗って歌わせて頂いたんです。でも、自転車に乗って出て行った瞬間もっと盛り上がるかなと思ったら、なぜか笑いが起きていて、μ'sのメンバーからもサーカスの熊みたいって(笑)。私にとって自転車に乗って歌うのは青春の証だったんですけど。そんなこともあって、4回目のワンマンライブ「ラブライブ! μ's →NEXT LoveLive! 2014 〜ENDLESS PARADE〜」の時に、もう一度トライさせてもらったんです。前は自分で自転車を漕いでいたんですけど、この時はトロッコに自転車を乗せて、一緒に移動していくという演出だったんです。メインの舞台に戻る時に、尺が足りなくて自転車のスピードがめっちゃ早くて私の髪がすごいなびいているっていう、そんなこともありましたね(笑)。

新田さんが選んだ『ラブライブ!』という作品を表す漢字一文字とは?

──劇場版のBlu-ray発売に合わせて、トラベルセットも発売となりました。これを持って旅行に行ってみたい外国の都市はどこですか?

新田 あのグッズを持って行ってみたいのは、穂乃果たちが劇場版で行った場所ですね。ネックピローとかも実際に付けさせて頂いたんですけど、すごく寝心地が良かったので、できるだけ長く着用できる場所に行きたいです(笑)。

──最近ハマっていること、マイブームがあったら教えてください。

新田 何がきっかけだったかハッキリ覚えてないんですけど、ここ最近ひたすらフクロウグッズを集めています。今日も実はピアスがフクロウなんですよ。先日も北海道に行った時、時間があって動物園へ行ってフクロウを間近で見たんですけど、さらに愛着が沸いてしまい、グッズを見つけると節操なく買い集めています。それ以外では写真集を眺めたり、ぬいぐるみを枕元に置いて寝ていたり、いつかはフクロウを肩に乗せてみたいです(笑)。

──最後に、『ラブライブ!』という作品を漢字一文字で表すとしたら? その一文字を選んだ理由もお願いします。

新田 すごく迷うところなんですけど「夢」でしょうか。μ'sの曲の中で一番出てくる言葉が「夢」だと思うんです。その夢というのが、将来の目標だったり、叶えたいことだったり、それだけじゃないなって、私も『ラブライブ!』に出会って感じています。この『ラブライブ!』という作品でいう夢というのは、決して一人のものではなくて、誰かと一緒に描いていくもの、叶えていくものなんだなって思いますね。

の付いたインタビューはV-STORAGE online限定の記事です。



【特装限定版展開写真】

<Blu-ray発売情報>
ラブライブ!The School Idol Movie
2015年12月15日発売
特装限定版:¥9,800(税抜)/通常版:¥6,800(税抜)

ラブライブ! 公式サイト

PROFILE

新田恵海(にったえみ)
12月10日生まれ、長野県出身。S所属。2010年声優デビュー。主な代表作に『カードファイト!! ヴァンガードG』安城トコハ役、『境界線上のホライゾン』マルガ・ナルゼ役、『D.C.III 〜ダ・カーポIII〜』森園立夏役などがある。歌手としても精力的に活動している。

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