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『GOD EATER』富澤祐介×近藤光プロデューサー対談全文掲載

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累計出荷本数300万本の大ヒット“ドラマティック討伐アクション”ゲーム『GOD EATER』が、シリーズ5周年記念プロジェクトとして待望のTVアニメ化! そして、2015年10月29日よりBlu-ray発売も決定! そこで今回は、本作のプロデューサーを務める富澤祐介さんと近藤光さんに、ゲームのアニメパート制作から始まった二人の関係や、TVアニメ版『GOD EATER』の見どころを伺った。
※インタビューは2015年4月下旬に取材したものです。

シリーズ5年間の積み重ね、その集大成!

――まず初めに、ゲーム『GOD EATER』(以下GE)のアニメパートをufotableさんが手掛けることになったきっかけとは?
富澤祐介(以下、富澤) 『GE』はハンティングスタイルのゲームではあるんですが、キャラクターやストーリーを重視した作品にしようということが決まっていたので、企画当初からアニメーションでもハイクオリティなインパクトを与えていきたいという強い思いがありました。それを実現してもらえるアニメ制作会社さんとして、ufotableさんを先輩プロデューサーに紹介してもらったことがきっかけです。その頃の自分はプロデューサーとして駆け出しの時で、まだ何の根拠も自信もない頃だったのですが「こういうオリジナルタイトルなんですが協力してくれませんか」と近藤さんにお願いしにいったのがきっかけです。その時、近藤さんは、「信頼できる人としか(仕事は)しない」って仰っていましたね(笑)。 近藤 光(以下、近藤) アニメを作る、ってそれだけ大変なんです。こいつとなら、と思える人とじゃないと中々いい作品を生み出しにくい。だから、信用している知り合いの紹介じゃなかったら話を受けてなかったかもしれません(笑)。今もそうなんですけど、富澤くんは最初に企画を持ち込んできたときからフットワークが軽くて、一緒に仕事したいところ、絡みたいところに必ず顔を出すということをやっているのがいい。あと偉いなと思ったのは、怒られても何度も来たことかな。アニメの作り方を何も知らなかったので、ワークチャートを作って見せたりもしました。 富澤 アニメについては色々と教えていただきました。だからこそゲームとして1つにするとき、よりよいものを作りたいという想いが強くなりましたね。『GE』の企画立ち上げから5年、監督の平尾隆之さんを中心に良いチームワークが出来ました。『GE』という作品が1つのブランドとして期待されるところまで来られたのは、ufotableさんのご協力があったからこそだと思っています。
――TVアニメ化で力を入れているところは?
近藤 まず、アニメは『GE』に初めて触れる人たちも含めて多くの方が見てくれる可能性が高い。『GE』のゲームをやり込んだ方達に喜んでもらうものにすることは前提にしつつも、ゲームをやっていない人にもわかるものを作りたいですね。ただ、それに加えてufotableに期待していることも盛り込んでいきたいと思っています。特にアクションシーンはね。期待されていることがハッキリわかっているので、それをどうやって表現することができるか。あとは『GE』を5年間やってきた平尾くんと、彼と一緒にやってきたスタッフが集結している。ある意味集大成でもあります。そういう積み重ねの向こう側に今回のアニメがあるので、いい作品になって欲しいですね。 富澤 僕たちもシナリオ打ち合わせから入って、制作に参加させてもらっています。ゲームのユーザーさんたちの視点で考えたときにどう思われるのかということを、お話させてもらったり。でも今回は既存のユーザーさんだけではなく、ufotableさんのアニメが好きな方、アニメが好きでゲームはやったことがないという方々にも、『GE』の目指している世界や魅力をどう伝えるかを考えています。主人公をどうするかということも議論になりました。ゲームの主人公って自分で好きなようにメイキングできるのが特徴なんですね。そういう作品に対してアニメをどう作るのか、という課題はあったんですが、みんながやりたいこと、目指している形へ持っていくように打ち合わせを重ねて、平尾さんとも近藤さんともじっくり話す時間をもらって、少しずつ形にしていきました。

ドラマチックに展開するアクションが最大の魅力!

――アニメの主人公・空木レンカはどのようにして生まれたのでしょうか?
近藤 監督の平尾くんが中心になって考案しました。平尾くんが気持ちを持っていきやすいキャラクターになっているなと感じましたね。平尾くんらしいなっていうか。 富澤 平尾監督が主人公をメイキングしたらこういうタイプのキャラクターになるのかも、と思いました。人となりを知りながら見ていると、近藤さんが仰るように“平尾さんらしいな”と。人それぞれに主人公像があるのが『GE』なので、全員にとっての正解は作れないんですよね。それをやろうとすると、喋らない、無個性の主人公になってしまう。そんな選択肢もあったんですけど、今回はやめました。『GE』の重い世界観や個性的なサブキャラクターの中で、負けない輝きを放ってくれる主人公を目指して、今回のレンカが生まれたのだと思います。 近藤 ゲームの世界から出てきて自分が主人公になったとしたら、ソーマってこういうキャラだよね、とか、アリサってこうだよね、というのがちゃんとわかるようにもなっているので、ゲームのユーザーさんに対しても、良い落とし込みが出来たんじゃないでしょうか。
[V-STORAGE online 限定]――アニメ第1話と第2話で、平尾監督が力を入れているなと感じたところは?

近藤 彼はどこに力を入れているというより、全部に力を入れていますね(笑)。

富澤 常にフルパワーですよね(笑)。元がアクションゲームなので、アクションシーンや、巨大な敵と戦うシーンへのご期待はあると思うのですが、それ以外のシーンでも緊張感があって息を抜くタイミングがない、映画を見ているような、とても濃密で贅沢な作品になっていると思います。

近藤 『GE』を作るのはカロリーが高くて大変ですよ(笑)。

[V-STORAGE online 限定]――アニメならではの良さというのはどこでしょうか?

近藤 アニメって、なんとなくで作ることはできないんですよね。フェンリル極東支部の大きさはどれくらいで、レンカが走ると一周で何分かかるのか、まわりにはどういう人が住んでいてこの人たちは毎日ごはんを食べられているのかとか、設定を細かく確認しながら作りますから。

富澤 ゲームでは、表現する部分と、あえて表現しない部分があるんです。作品を続けるためにあまりガチガチに設定しないようにしようという考えもあったりしますからね。だからこそアニメならではの詳細化された表現が楽しみです。

近藤 例えば、キャラクターが走るシーンひとつをとっても、街の感じ、建物の高さはどれくらいあって、キャラから見たらフェンリルの街並みがどう見えるのか、といった設定一つ一つを作っているので、世界観により深く没頭してもらえるのがアニメの良さだと思います。

――最後に、本作の見どころをお教えください。
近藤 アクションエンターテイメント性の強い作品なので、やっぱりアクションが見どころですし、楽しんでもらえるんじゃないかなと。特に平尾くん的には、『GE』シリーズに携わってきた5年間の集大成でもありますから、本当に上質のアクションエンターテイメント作品になっています。観てくれる皆さんが次の日楽しく学校や仕事にいけるよう、ワクワクドキドキしてもらえればと思いますね(笑)。 富澤 僕も近藤さんと同じ思いで、『GE』シリーズは爽快なアクションと感動できるストーリーの両方を楽しめるのが作品の良さです、と言い続けてきたので、アニメでも形はちがってもそれを両方体感してほしいですね。平尾さんはアクションでドラマを見せたいと常々仰っていて。もちろんアニメならではのカッコいい動きも楽しんでいただけると思いますが、アクションを通じてドラマを楽しめるリッチな作品になっていますので、ぜひご期待ください!

PROFILE
近藤 光(こんどうひかる) アニメーションプロデューサー。2000年にアニメーション制作会社ufotable(ユーフォーテーブル)の設立に参加、代表取締役に就任する。2009年からはアニメ・ゲームのイベント“マチ★アソビ”の総合プロデューサーとして企画制作を務め、2012年にNPO法人マチ★アソビを設立し、代表に就任した。 富澤祐介(とみざわゆうすけ) ゲームクリエイター、プロデューサー。バンダイナムコエンターテインメント所属。2010年に発売された大ヒットゲーム『GOD EATER』のプロデューサーを務め、以降のシリーズもプロデューサーとして携わる。同シリーズの参加するイベント“マチ★アソビ”やニコニコ動画などでの配信にも精力的に取り組んでいる。

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